ふるさと納税は共働き夫婦でもできる?限度額の計算方法や注意点を解説!
「共働き夫婦の場合、ふるさと納税はできるの?できるとしたら控除限度額はいくらなの?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。実は、共働き夫婦でもふるさと納税をすることができます。しかし、配偶者の年収や寄付する際の名義など、注意すべき点がいくつかあります。
この記事では、共働き夫婦でふるさと納税を行う際の注意点と、ふるさと納税のやり方を解説しています。共働き夫婦でも有意義にふるさと納税を行うために、ぜひ確認してきましょう。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
目次
共働き夫婦でもふるさと納税はできる!
まず、ふるさと納税には「共働き」と「夫婦」の定義があります。「共働き」は、ふるさと納税をする本人が配偶者(特別)控除の適用を受けていないケースを指し、「夫婦」は、ふるさと納税をする者の配偶者に収入がないケースをそれぞれ指します。
つまり、夫婦それぞれに一定の給与所得があり、それぞれに住民税や所得税が課せられている場合は「共働き」となり、別々にふるさと納税をすることができます。もちろん、配偶者がパートタイムなどの仕事で収入が少なく、配偶者(特別)控除を受けている場合でも、ふるさと納税をすることはできます。しかし、その場合は「夫婦」の扱いとなるので、覚えておきましょう。
共働き夫婦がふるさと納税する際の注意点
共働き夫婦が、ふるさと納税をする際の注意点を確認していきましょう。まず、以下3点に注意が必要です。
-
配偶者が年収201万円以下の場合は共働きとして申請できない
-
共働きの場合でも「年収の合算」はできない
-
共働き夫婦がふるさと納税する場合は「別名義」で納税する
ふるさと納税は、世帯単位ではなく、個人単位の年収をもとに、控除限度額が決まる制度です。そのため、共働き夫婦の場合は、別々にふるさと納税をしなければなりません。
では、それぞれ詳しく解説していきましょう。
配偶者が年収201万円以下の場合は共働きとして申請できない
配偶者の収入が201万円以下の場合は、配偶者(特別)控除が適用されるので、ふるさと納税における「共働き」の定義を満たしません。配偶者が201万円以下の年収の場合は、「夫婦」として申請することになります。
共働き夫婦がふるさと納税をした場合、夫婦それぞれの収入から住民税や所得税が控除されます。例えば、配偶者(特別)控除によって、夫婦の一方が控除を受けている場合は、住民税や所得税が減額されています。かかる税金が少ないとふるさと納税の控除がほとんどない受けられないため、ほぼ自己負担での寄付となるのです。そのため、配偶者が年収201万円以下の場合は、「夫婦」としてふるさと納税を申請するようにしましょう。
共働きの場合でも「年収の合算」はできない
ふるさと納税は個人単位での制度です。「共働き」でそれぞれに所得税・住民税が課税されている場合、夫婦それぞれの収入で控除金額が算出されます。夫婦の収入を合算して控除金額を算出することはできません。
「共働き」だからと言って、夫婦の収入を合算して一方がまとめてふるさと納税をすることはできないので注意しましょう。
共働き夫婦がふるさと納税する場合は「別名義」で納税する
ふるさと納税は、寄付をした本人の所得税と住民税を控除してくれる制度です。そのため、共働き夫婦でふるさと納税を申請する場合、別々の名義で申請しなければなりません。
また、「返礼品注文者名義(支払いに使うクレジットカード名義)」と「納税者名義」が一致している必要があるため、妻名義のふるさと納税を夫名義のクレジットカードで支払うと、控除の対象にならない場合があります。夫婦共用のクレジットカードは使わず、必ず本人名義のクレジットカードを使うようにしましょう。
ふるさと納税の控除限度額の計算方法【共働きの場合】
ふるさと納税は、いくらでも寄付することはできますが、1年のうちで控除できる金額には上限が決められています。さらに、この控除限度額は家族構成や収入によって大きく変わってくるので、事前に目安を調べておくようにしましょう。
控除される限度額以上の寄付を行った場合、超過分は控除対象外となり自己負担となってしまうので気をつけましょう。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
ふるさと納税のやり方【4ステップ】
では実際に、ふるさと納税のやり方を説明していきましょう。ふるさと納税は、「控除限度額を調べる」「返礼品(寄付する自治体)を選ぶ」「自治体へ寄付(返礼品の注文)を行う」「寄付金控除の申請を行う」という、たった4ステップでできます。
それでは、具体的に手順を確認していきます。
控除限度額を調べる
まずは、返礼品を注文する前に控除限度額を調べておきます。そうすることで、寄付金額の目安を知ることができます。各ふるさと納税のポータルサイトにシミュレーション機能が公開されているので、活用しましょう。
「ふるラボ」の「かんたんシミュレーター」では、本人の年収と家族構成を選択するだけで大まかな控除限度額を知ることができます。共働き夫婦の場合は、家族構成で「独身又は共働き」を選択しましょう。
ただし、「ふるラボ」のシミュレーション機能は、あくまで目安を教えてくれるものです。詳しい控除限度額を調べる場合は、今年の「源泉徴収票」、個人事業主や副業の収入がある方は「確定申告書の控え」を用意して、総務省の「寄附金控除額の計算シミュレーション」を利用することをおすすめします。
より正確な控除限度額を知りたい場合は、お住まいの市区町村の住民税の担当部署や税務署、税理士等に確認してください。
返礼品(寄付する自治体)を選ぶ
ふるさと納税の控除限度額の目安を確認したら、次は寄付をする自治体と返礼品を選びましょう。ここで控除限度額以上の返礼品を選んでしまうと、自己負担額が多くなってしまうので、気をつけてください。
ふるさと納税は、出身地にかかわらず、好きな自治体の返礼品を選ぶことができます。返礼品は、自治体ごとに特色があり、食品、工芸、家電、イベント等さまざまな種類があります。
「ふるラボ」では「ふるラボチャンネル」の動画で自治体や返礼品の魅力をわかりやすく知ることができるので、返礼品選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。
自治体へ寄付(返礼品の注文)を行う
寄付をしたい自治体と返礼品が決まったら、実際に寄付をします。各ポータルサイトの指定された支払い方法で入金を行いましょう。返礼品の到着まで数週間かかる場合もあれば、時期によっては数カ月かかることもあります。発送方法に関しては、返礼品を選ぶ際に記載されているので、確認しておきましょう。
また、自治体からは、返礼品とは別に「寄附金受領証明書」も送付されます。こちらも寄付完了日から数週間~数カ月で到着します。寄附金受領証明書は、寄付金控除の申請に必要な書類なので、必ず紛失しないように保管しておきましょう。紛失してしまった場合は控除を受けられないので、寄付先の自治体に再発行をしてもらわなければなりません。
寄付金控除の申請を行う
最後に、所得税・住民税の控除を受けるための申請手続きを行います。ふるさと納税をして控除を受けるためには、「ワンストップ特例制度」「確定申告」の2通りのやり方があります。自分に合った制度を選びましょう。
ふるさと納税の寄付金控除のやり方
ふるさと納税の寄付金控除のやり方を解説していきます。まず、ワンストップ特例制度と確定申告の違いについて確認しましょう。
-
ワンストップ特例制度
会社勤めをして給料をもらっている人(=給与所得者)で、1年間に寄付をする自治体が5つ以内である場合に利用できます。
-
確定申告
1年間に寄付をする団体が6団体以上は確定申告をする必要があります。また、ふるさと納税の有無にかかわらず確定申告する方人(医療費控除や雑損控除を受けるために確定申告をする人や個人住民税の申告をする人などを含む)が対象となります。
ワンストップ特例制度は簡単に申請できるのが特徴ですが、利用するには一定の条件があるため、条件にあてはまらない人は確定申告が必要になります。それでは、それぞれの手順を解説していきます。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
ワンストップ特例制度を使う場合
まずは、ワンストップ特例制度を使うための手順を解説していきます。
必要書類を揃えて記入する
最初に、ワンストップ特例制度の申請に必要なものを揃えましょう。申請に必要な書類は、以下の2つです。
-
ワンストップ特例制度の申請書
-
本⼈確認書類
ワンストップ特例制度の申請用紙は、自治体から送られてきますが、総務省のホームページや各ポータルサイトからダウンロードできます。記入例も同じくダウンロードできるので参考にして記入しましょう。
本人確認書類は、以下の3パターンの組み合わせのどれかを用意します。
-
A)マイナンバーカードのコピー表面+裏面の2枚
-
B)次のうちいずれか1点
- ・マイナンバー通知カードのコピー
- ・マイナンバーの記載されている住民票の写し
+次のうちいずれか1点
・運転免許証のコピー
・パスポートのコピー
-
C)次のうちいずれか1点
- ・マイナンバー通知カードのコピー
- ・マイナンバーの記載されている住民票の写し
+次のうちいずれか2点
・健康保険証のコピー
・年金手帳のコピー
・提出先自治体が認める公的書類のコピー
ワンストップ特例制度の申請書と本人確認書類を送付する
申請書と本人確認書類が用意できたら、寄付をした翌年の1月10日までに各自治体に提出します。送付先の住所は、各自治体に問い合わせてください。もし、1月10日に間に合わなかった場合は、確定申告が必要となります。
また、申請書の送付は申請する自治体ごとに必要なので、複数の自治体に寄付をした場合は、それぞれの自治体に送付をしなければなりません。忘れないようにしましょう。
確定申告をする場合
次に、確定申告をする手順を解説していきます。
必要書類を準備する
まず、確定申告に必要な書類を確認しましょう。必要な書類は、以下の4つです。
-
寄附金受領証明書
-
対象期間の源泉徴収票
-
還付金受取用口座番号
-
マイナンバーカード(通知カード+本人確認書類)
確定申告書の作成
国税庁の確定申告特集ページにアクセスし「確定申告書等の作成はこちら」を選択すると、ウェブ上で確定申告を行うことができます。申告の際、ふるさと納税の寄付金額を記入するようにしましょう。
また、確定申告書作成が簡単に行えるソフトやサービスがありますので、そちらを利用しても問題ありません。
確定申告書の提出
確定申告書の作成が終わったら、印刷して税務署に郵送するか、直接持参します。提出期限が近くなると窓口が混雑するため、郵送やe-Taxで提出すると便利です。確定申告の1~2カ月後に所得税が還付され、その後住民税が控除されます。
まとめ
ふるさと納税は、自己負担2,000円で地方に寄付し、返礼品を受け取ることができる制度です。ただし、共働き夫婦の場合は、配偶者の収入によって「共働き」「夫婦」と申請の仕方が変わり、控除上限額が大きく変わります。この記事を参考に、ふるさと納税をかしこく利用しましょう。
「ふるラボ」では、返礼品を動画で紹介しているコンテンツもあるので、実際に映像で見て気に入った返礼品を見つけて注文することもできます。ぜひ利用してみてください。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!