ふるさと納税はいつまでにすれば間に合う?申込期限や年末に焦らないためのコツを紹介

ふるさと納税はいつまでにすれば間に合う?申込期限や年末に焦らないためのコツを紹介

ふるさと納税は「納税」という言葉がついていますが、実際には自治体への「寄付」のことです。寄付をした金額は自己負担額の2,000円を除いて、全額税控除の対象になります。ふるさと納税は年内にすれば税控除になりますが、具体的に「いつ」「何を」「どのように」すればいいのか知らない人も多いはずです。

この記事では確実にふるさと納税を成功させるための方法や注意点、もし手続きに間に合わなかったときの対処法などを丸ごと解説していきます。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

ふるさと納税はいつまでにすれば間にあう?

ふるさと納税で税控除を受けるには「申込期限」、「ワンストップ特例制度の申請期限」、「確定申告の申請期限」という3つの期限がとても重要です。期限を過ぎてしまうと来年分の寄付金控除に間に合わないので注意しましょう。

ふるさと納税の申込期限(返礼品の申込・支払い)

ふるさと納税の申込期間は1月1日~12月31日23時59分までです。例えば、2023年1月1日~12月31日までに申し込んだ分は、2023年分の所得税還付と2024年度の住民税控除に反映されることになります。

ただし、自治体によって、ふるさと納税の申込から手続き完了までに時間がかかる場合もあります。年末ギリギリに申し込むと翌年1月1日以降の受付になってしまう可能性もあります。

申込期間

所得税還付

住民税控除

2022年1月1日~12月31日23時59分

2022年分

2023年度

2023年1月1日~12月31日23時59分

2023年分

2024年度

2024年1月1日~12月31日23時59分

2024年分

2025年度

ワンストップ特例制度の申請期限

ワンストップ特例制度は確定申告せずに税控除を受ける方法です。ワンストップ特例制度を受けるには、ふるさと納税をした自治体に翌年の1月10日(自治体必着)までに申請書類を送る必要があります。 

もしワンストップ特例制度の期限に間に合わなかった場合は、確定申告すれば問題なく税金控除を受けることができます。ただし確定申告はワンストップに比べると手間がかかります。万が一確定申告までに間に合わないと税控除が受けられませんので、なるべくワンストップ特例制度の利用をおススメします。

申込期間

ワンストップ特例制度の期限 (自治体必着)

2022年1月1日~12月31日

2023年1月10日

2023年1月1日~12月31日

2024年1月10日

2024年1月1日~12月31日

2025年1月10日

確定申告の申請期限

確定申告の期限は翌年の3月15日です。確定申告の際には自治体から送られてきた「寄付金受領証明書」を添付する必要があるので、必ず保管しておきましょう。 

また令和3年分の確定申告からは、国税庁が指定する特定事業者が発行する「寄付金控除に関する証明書」をダウンロードし、添付するだけでもよくなりました。何枚もの寄付金受領証明書を保管する必要がなくなり、楽に申告できます。特定事業者とは、ふるさと納税のポータルサイトを運営している会社のことで、当サイト「ふるラボ」も含まれています。詳しくは国税庁の『国税庁長官が指定した特定事業者』に掲載されています。 

12月中でもふるさと納税の申請は間に合うのか

ふるさと納税を12月に駆け込みで申請する人も少なくないはずです。令和5年のふるさと納税の期限は2023年12月31日ですが、申込を完了しただけで安心しないようにしましょう。2023年12月31日までに「支払い完了(決済済み)」となっていることが大切です。 

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12月にふるさと納税をする際の注意点

12月にはふるさと納税の滑り込み申込が殺到し、自治体によっては処理が間に合わず締め切りを早くしている可能性もあります。 

さらに支払い方法によっても決済が間に合わないこともあるので、注意が必要です。例えば「銀行書留」の場合、自治体が受領した日が申込完了日になります。そのため12月29日に申し込んで現金書留を郵送したとしても、自治体が年末休みに入っていると年内に受領は難しいでしょう。 

また銀行振込は銀行の営業日に左右されます。12月31日ギリギリに振込をしたとしても、銀行は年末年始休業なので翌年1月4日扱いになる可能性が高いです。 

ふるさと納税の決済を年内に確実に行うなら、「クレジットカード払い」がおススメです。クレジットカードなら即時決済できるだけでなく、寄付金受領証明書を待たなくても決済完了の確認ができます。

ふるさと納税をするなら知っておきたい3つのポイント

ふるさと納税をするならおさえておきたいポイントがあります。

  • ふるさと納税が申し込める時期

  • ふるさと納税の手続き完了のタイミング

  • 年末は手続きに時間がかかる可能性がある

3つのポイントを把握しておけば確実に年内に手続きを完了することができるうえ、「本当にできているのかな」という不安を感じることもなくなるでしょう。

ふるさと納税は年内ならいつ申し込んでもOK

ふるさと納税は「365日24時間」申込を受け付けています。インターネットの環境があれば、いつでもどこでも申し込むことが可能です。ただし1月1日~12月31日までに手続きが完了した分が、今年の所得税と翌年の住民税の控除対象になります。つまり税務の手続き上、1月1日~12月31日が1区切りとなります。

今年分のふるさと納税は「今年中に支払いが完了したもの」が対象になる

ふるさと納税の手続き完了は申込完了ではありません。「支払い完了」になってはじめて手続きが完了し、今年分の税控除対象とカウントされます。 

12月31日の23時59分まで今年分のふるさと納税としてカウントされますが、「支払い完了」になっていない場合は翌年に繰り越されることになるので注意が必要です。

【支払い方法別】支払い完了の定義

ふるさと納税にはおもに4つの支払い方法があります。

支払い方法

決済(受領)日の定義

クレジットカード

決済が完了した日

銀行振込

指定口座に支払いをした日

払込取扱票

指定口座に支払いをした日

銀行振込

自治体側が受領した日

上の表から12月31日23時59分までふるさと納税の手続き完了が可能なのは、「クレジットカード払い」であることがわかります。 

銀行振込や払込取扱票での支払いも比較的早く手続きが完了します。しかし土日、年末年始など時間帯によっては、金融機関の翌営業日が「支払いをした日」になることもあります。

支払いが完了しているか確認する方法

申込期限までに支払いが完了しているかどうか不安な人は、以下の3つの方法で確認することができます。

  • 自治体に電話する

    現金書留や銀行振込、払込取扱票などオンラインでない支払いをした場合、支払いが完了しているかどうかは各自治体で管理しています。確実に確認するならふるさと納税をした自治体に直接問い合わせてみましょう。

  • ふるさと納税ポータルサイトで確認する

    各ふるさと納税ポータルサイトにはマイページがあり、そこで「寄付履歴」を確認することができます。ただし寄付履歴のステータス管理は各自治体が行っているため、すぐに反映されないこともあります。より確実に確認するのなら、自治体に直接問い合わせたほうがいいでしょう。

  • 決済完了メールで確認する

    クレジットカードでオンライン決済が完了すると、「決済完了メール」や「納税申込み完了のお知らせ」といったメールが登録したアドレス宛に届きます。各ポータルサイトによって内容や表示形式は異なるため、確認方法が分からない場合は、各ポータルサイトに問い合わせてみましょう。

年末(12月)は駆け込み需要で手続きに時間がかかる可能性があるので注意

ふるさと納税は12月の駆け込み申込が多く、自治体によっては年内の寄付の受付を早めに締め切ってしまうこともあります。そのためせっかく年内に申込をしても、今年の寄付として受け付けてもらえないかもしれません。

ふるさと納税スケジュール管理のコツ

ふるさと納税の控除上限額は当年の1月1日~12月31日までの所得額で計算されます。例えば2023年のふるさと納税の控除上限額は「2023年1月1日~12月31日」の年収で確定します。しかし2023年の控除上限額がわかるのを待っているとふるさと納税はできません。また限度額を把握せずにたくさん納税してしまうと上限額を超えてしまうことも考えられます。 

ふるさと納税の納税控除上限額は総務省や、当サイトの「寄付上限額シミュレーション」で簡単に金額の確認が可能です。 

効率的にふるさと納税をするために活用していただきたいのが、去年の源泉徴収票です。まず去年の源泉徴収票をもとに控除上限額を計算します。算出された金額から2~30,000円低く見積もった金額を、11月末までにふるさと納税に使います。このようにすれば上限額を超えてふるさと納税をする心配はありません。また11月末くらいになると年収も固まってきますので、残りの1カ月でさらに納税するかどうか判断することも可能です。 

例えば独身で2021年の給与が400万円の場合、控除上限額の目安は42,000円です。2023年のふるさと納税は、11月末までに22,000円(42,000円-20,000円)使っておきます。年収が変わらないようであれば、12月中に残りの20,000円分もふるさと納税すると効率よく税控除できるはずです。

ワンストップ特例制度は確定申告より期限が早いので注意!

ワンストップ特例制度は確定申告よりも手続きが楽で便利な制度です。しかし申請を忘れていたり、申請書類に不備があったりして1月10日(必着)に間に合わなかった場合、税控除を受けるには確定申告をしなくてはいけません。また5自治体にふるさと納税しているのに、4自治体だけ提出している場合も確定申告が必要になります。 

ワンストップ特例制度は「寄付先に申請書が届く」ことで手続きが完了します。つまり1月10日に郵便ポストに投函したのでは間に合いません。また全部まとめて提出しようとすると、提出漏れや申請書を紛失してしまうこともあり得ます。申請書が届いたらそのタイミングごとに作成し、各自治体へ送付するようにしましょう。

【簡単3ステップ】ワンストップ特例制度のやり方

ワンストップ特例制度はふるさと納税した後に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要事項を記入し、ふるさと納税をした自治体に送るだけなのでとても簡単です。 

以下の条件を満たしていれば利用することができます。

  • もともと確定申告の必要がない給与所得者

  • 1年間のふるさと納税先が5自治体以内

ワンストップ特例制度の詳しい内容に関しては、「ワンストップ特例制度とは?申請書の書き方やいつまでに申請すればいいのか解説」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

ワンストップ特例制度の申請書を取り寄せる/ダウンロードする

まずは「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を用意しましょう。申請書は多くの場合、各自治体から「寄付金受領証明書」と一緒に自治体名や寄付者の住所・名前などがすでに記載された申請書が送られてきます。 

また総務省や各自治体のホームページ、各ポータルサイトからダウンロードも可能です。ふるさと納税の手続きが年末ギリギリだった場合は、ダウンロードした申請書を利用して早めに送付するようにしましょう。

申請書の必要項目を記入する

次に申請書に必要な項目を記入します。

  • 提出日

  • 自治体名

  • 住所

  • 電話番号

  • 氏名(フリガナ)

  • マイナンバー

  • 生年月日

  • 「当団体に対する寄附に関する事項」

  • 「申告の特例の適用に関する事項」にあるチェックボックス①②

申請書は1つのふるさと納税に1枚です。1つの自治体に3つ寄付した場合は、3枚必要になります。誤って「1.当団体に対する寄附に関する事項」にまとめて寄付金を記載しないよう注意してください。

本人確認書類のコピーと共に寄付した自治体に送付して完了!

必要事項が記入できたら本人確認書類のコピーとともに寄付した自治体に送付しましょう。繰り返しお伝えしますが、ワンストップ特例制度の申請期限は1月10日に自治体必着です。

マイナンバーカード有個人番号通知カード有どちらも無
個人番号確認の書類マイナンバーカード裏のコピー個人番号通知カードのコピー個人番号が記載された住民票の写し
本人確認の書類マイナンバーカード表のコピー下記いずれかの身分証コピー
・運転免許証
・運転経歴証明書
・パスポート
・身体障害者手帳
・精神障害者保健福祉手帳
・療育手帳
・在留カード
・特別永住者証明書

※写真付きの本人確認書類がない場合は下記のいずれかを2つ提出
・公的医療保険の被保険者証(健康保険証)
・年金手帳
・各自治体が認める上記以外の確認書類

ワンストップ特例制度の申請が間に合わなかったら「確定申告」をしよう

ワンストップ特例制度の申請が間に合わなかったとしても、翌年の3月15日までに確定申告をすれば寄付金控除が受けられます。ワンストップ特例よりも多少手間がかかりますが、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というサイトを利用すれば比較的簡単に作成可能です。 

ふるさと納税の確定申告書作成に必要な書類は以下になります。

  • 源泉徴収票

  • 寄付金受領証明書または寄付金控除に関する証明書

またワンストップ特例制度の手続きをした後に「ワンストップの申請漏れ」や「医療控除の申告」などで確定申告が必要になった場合は、ワンストップ特例の申請をしたふるさと納税も含めて確定申告しましょう。確定申告を行うとワンストップ特例での申請は無効になります。 

例えばワンストップ特例の申請を行った後に医療控除だけの確定申告を行ったとします。すると医療費控除は受けられますが、ワンストップ特例に申請したふるさと納税の寄付金控除は無効になってしまうのです。 

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

確定申告の申請も間に合わなかった場合はどうなる?

ふるさと納税の申込が遅くて、ワンストップだけでなく確定申告にも間に合わなかった場合でも、まだ税控除を受ける手段は残っています。

確定申告手続き期間例)2020年分の手続き期間
した更正の請求確定申告書の提出期限から5年以内2021年3月15日~
2026年3月14日
してない期限後申告(還付申告)申告したい年分の翌年1月1日から5年間2020年1月1日~
2025年12月31日

「更正の請求」とは確定申告書に誤りがあって税金を納め過ぎていた場合、「申告書の提出期限から5年以内」であれば税金を還付してもらえる手続きです。また期限後申告は「確定申告そのものをしていない場合の手続き」で、更正の請求とは手続き方法が異なります。詳しい手続き方法などは税務署に相談してみましょう。

まとめ

ふるさと納税は「24時間365日」申込可能ですが、当年の税金控除の対象になるのは1月1日~12月31日までです。税金控除を受けるための手続きは「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2つがあり、それぞれ期限が異なります。 

年末になって焦って行うことがないように、ふるさと納税をするタイミングや申請書の送付など、スケジュール管理をして計画的に進めるようにしましょう。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!