ふるさと納税で所得税はいくら戻る?計算方法と還付されない場合の対処法を紹介

ふるさと納税で所得税はいくら戻る?計算方法と還付されない場合の対処法を紹介

ふるさと納税を行っている人のなかには、ふるさと納税で所得税がどれくらい控除されているか、正しく理解できていない人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、所得税の計算方法や還付の仕組み、還付されない場合の対処方法などを解説していきます。この記事を読めば、あなたの所得税がいくら還付されるのか知ることができますよ。

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ふるさと納税で所得税の還付がされるのは「確定申告」で寄付金控除を申請した人

ふるさと納税を行い、所得税が還付されるのは、確定申告で寄付金控除の申請をした人に限ります。

そもそも、ふるさと納税の寄付金控除を受けるためには、確定申告を行うか、ワンストップ特例制度を利用して申請を行う必要があります。しかし、ワンストップ特例制度を利用した場合、手続きは簡単ですが、控除の対象は住民税のみになるため、所得税の還付は受けられません。

所得税が還付されるためには、会社員であっても確定申告をする必要があることを覚えておきましょう。

ふるさと納税で所得税の還付がされる仕組み・流れ

ふるさと納税で所得税の還付がされる仕組みについて、解説します。ふるさと納税で寄付したお金は、自己負担額2,000円を除き、基本的には全額寄付金控除の対象になり、課税所得から控除されます。課税所得とは、収入から必要経費などを差し引いた所得から、基礎控除などの各種所得控除の合計を引いた金額です。

ふるさと納税の寄付金控除を確定申告で申請した場合、所得税と住民税の両方が控除の対象となります。所得税から控除(還付)される金額は、以下の計算式で算出できます。

所得税の控除(還付)額=(ふるさと納税額-自己負担金2,000円)×(所得税率×復興税率1.021)

所得税率は、所得金額によってことなりますので、以下の表を、参考にしてください。

所得金額

税率

1,000円から194万9,000円まで

5%

195万円から329万9,000円まで

10%

330万円から694万9,000円まで

20%

695万円から899万9,000円まで

23%

900万円から1,799万9,000円まで

33%

1,800万円から3,999万9,000円まで

40%

4,000万円以上

45%

※1,000円未満は切り捨て
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率

また、住民税の控除には、基本控除分と特例控除分の2つがあります。それぞれの計算式は、以下の通りです。

①住民税の控除額(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%
②住民税の控除額(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(90%-所得税率×復興税率1.021)

①の基本分で控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。②の特例分は、住民税所得割額の2割を超えない場合は上記の計算式となりますが、2割を超える場合の特例分の控除額は、「(住民税所得割額)×20%」で決まります。

ちなみに、住民税所得割額とは、所得金額に比例して課税される住民税額のことで、課税証明書や住民税決定通知書で確認することができます。

確定申告では、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得を、翌年の2月16日から3月15日までの期間に申告します。所得税は、確定申告後1カ月程度で還付されます。このとき、還付金が振り込まれる口座は、確定申告時に記入した口座になります。

ふるさと納税をすると戻ってくる所得税の計算方法|あなたはいくら戻ってくる?

還付される所得税の計算方法と流れを理解したら、次は具体的に例を挙げて、還付される所得税を計算してみましょう。

【寄付金額2万円、所得税率20%の場合】
(2万円-2,000円)×(20%×1.021)=3,675円
3,675円の所得税還付が受けられます。

【寄付金額4万円、所得税率20%の場合】
(4万円-2,000円)×(20%×1.021)=7,759円
7,759円の所得税還付が受けられます。

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ふるさと納税をして所得税の還付を受けるために必要なこと

ふるさと納税をして所得税の還付を受け取るためには、確定申告をして寄付金控除申請をする必要があります。流れは、次の通りです。

  • 寄付する自治体を選ぶ(返礼品を選ぶ)

  • 自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」を受け取る

  • 確定申告で「寄附金控除」欄を記入し、控除申告をする

  • 確定申告の約1ヵ月後に口座を確認し、所得税が還付されているか確認する

寄付をしたことを証明する「寄附金受領証明書」は、返礼品と一緒に届くケースや返礼品とは別に送られてくるケースがあるので、注意しましょう。また、確定申告時にも「寄附金受領証明書」が必要です。確定申告書類とともに、証明書を添付する必要があるので、大切に保管しましょう。

もし所得税が還付されない場合はどうしたらよい?

控除の申告手続きを行ったはずなのに、所得税が還付されない場合はどうしたらよいのでしょうか。

まずは、正しく控除が受けられているかどうかを確認しましょう。確定申告を終えて還付金額が確定すると送られてくる「国税還付金振込通知書」を見れば、確認することができます。

いくら経っても還付金が入らない場合は、2つの原因が考えられます。それは、ワンストップ特例制度を使っている場合と、確定申告に不備がある場合です。2つの原因について、細かく対処法を見ていきましょう。

ワンストップ特例制度を使っていないか確認する

ワンストップ特例制度は、確定申告が不要な人や年間のふるさと納税先の自治体数が5つ以内の人が使える制度です。ふるさと納税をした各自治体にワンストップ特例制度の申請をすることで、利用することができます。

ただし、この制度を利用した場合、控除の対象は住民税のみになるため、所得税の還付は受けられません。ワンストップ特例制度を利用した場合は、寄付をした年の翌年の住民税から控除が行われます。

所得税の還付を受けたい人は、ワンストップ特例制度ではなく、確定申告で寄付金控除申請を行いましょう。ワンストップ特例制度の申請書を各自治体に提出していたとしても、確定申告を行っていれば、ワンストップ特例の適用は受けることはありません。

確定申告に不備がないか確認する

確定申告に不備があった場合も、還付金は受け取れません。不備がある場合には、税務署から連絡が入るため、書類の再提出を行いましょう。自分で不備に気付いた場合には、訂正申告をする必要があります。確定申告の提出期間内であれば、再提出することが可能です。

また、「確定申告の期間中に不備に気付かず、還付金の受け取りができなかった」という人も安心してください。ふるさと納税のような税金の還付申請については、5年以内であればいつでも還付申告可能です。

まとめ

この記事では、ふるさと納税で所得税がいくら還付されるかについて解説しました。住民税の控除だけを受ける場合は「ワンストップ特例制度」を使うことが可能ですが、所得税の還付を受けたい場合は、確定申告で寄付金控除を申請する必要があります。

また、所得税の還付がされない場合、ワンストップ特例制度を使っているか、確定申告書類に不備がある可能性があります。確定申告の準備を前もって行い、申請の手順を間違えないようにしましょう。

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