ふるさと納税はパート主婦がしてもメリットがある?具体的な年収目安とともにやり方を解説!
パート収入を得ている主婦の中には、「自分でもふるさと納税を活用したらメリットがあるのでは?」と気になる人も多いかと思います。ふるさと納税はメリットを得られる納税の制度として広く活用されているため、多くの人が関心を持つのは当然です。しかし実は、パートの年収によっては損をする場合も…。
そこでこの記事では、ふるさと納税で損をしない年収や、申請の手順・注意点などについて解説します。この記事を読めば、ふるさと納税のメリットを適切に得られるようになりますよ。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
目次
パート主婦の方でもふるさと納税は可能
結論からお伝えしますと、パート主婦でもふるさと納税をすることは可能です。しかし、パートで稼いでいる年収によっては、配偶者の名義で納税をしたほうがメリットが大きくなる場合も多くあります。具体的な年収金額について見ていきましょう。
パート主婦の方がふるさと納税で損をしない年収はいくらから?
パート主婦がふるさと納税のメリットを得るためには、パート年収が大きく関わってきます。
年収
ふるさと納税でメリットを得られるかどうか
103万円以下
メリットを得られない
103万円以上200万円以下
メリットを得られる可能性が低い
200万円以上
メリットを得られる可能性が高い
年収が103万円以下では、残念ながらメリットを得られるふるさと納税にはなりません。103万円以上200万円以下であったとしても、メリットを得られない場合が多いでしょう。200万円以上あれば、メリットを得られる可能性が多少でてきます。
しかしなぜ、年収のラインによってお得になる/ならないが変わるのでしょうか。以下で、各年収ラインでの状況を詳しく説明します。
年収103万円以下の場合
収入を得た時、金額に応じて所得税を支払う必要があります。しかし所得税には、基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)の合計103万円の控除があるため、年収103万円以下の収入では所得税がかからないことになります。いわゆる、103万円の壁とも言われ、年収がこの範囲に収まるように調整している人も多いのではないでしょうか。
年収100万円を超えると課税される住民税も5,000円程度であるため、ふるさと納税の控除上限額が少額すぎて、使うメリットはありません。年収103万円以下の場合には、配偶者の名義でふるさと納税を行うほうが良いでしょう。
年収103万円以上200万円以下の場合
パート年収103万円以上200万円以下であれば所得税が発生するため、ふるさと納税によるメリットが得られる可能性はあります。しかし、控除限度額が少額であることには変わりません。実際にふるさと納税を行ったとしても、数千円相当の返礼品しかもらえないこともあります。申請の手間を考えると、あまりおすすめできません。
103万円以下の場合と同様に、配偶者名義でふるさと納税を行ったほうがメリットを得られる可能性は高いです。
年収200万円以上の場合
年収200万円以上の場合でも、計算された控除限度額が7,000円未満であると、損をする可能性が高くなります。ここでは、ふるさと納税は控除限度額以内でも2,000円の自己負担額が発生することがポイントです。返礼品の価格は寄付金額の3割が上限のため、7,000円の寄付金に対してもらえる返礼品の価格は2,100円相当。返礼品の価値が自己負担額とほぼ変わらないか、それ以下となるため損をしてしまいます。
もし、控除限度額が7,000円よりも高くなるのであれば、ふるさと納税のメリットを多少得られます。年収200万円以上の場合には、まずは控除限度額を計算してみることが大切です。
ふるさと納税の限度額はどうやって調べればよい?
ふるさと納税の控除限度額は、自分の源泉徴収票を見ながら、ふるさと納税のポータルサイトにあるシミュレーション機能を使って計算します。
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源泉徴収票
勤務先から毎年12月頃に配布される書類。自分の年収や各種控除の額が記載されています。ふるさと納税を行う年の源泉徴収票はその年の年末にならないと手に入らないため、おおよその限度額を調べるには前年の源泉徴収票を見ながら試算することがおすすめです。
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控除上限シミュレーション
ふるラボのシミュレーション機能「かんたんシミュレーター」であれば、簡単2ステップで控除限度額を調べることができます。源泉徴収票の「支払金額」の項目に書かれた金額と、家族構成を入力するだけですので、気軽に活用してみてください。なお、年収200万円以上のパート主婦の場合には、家族構成は共働きを選びましょう。
パート主婦の方がふるさと納税をする際の注意点
パート主婦がふるさと納税を申請する際には、主に次の3点に注意する必要があります。
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ふるさと納税の申請、返礼品申し込みの名義に注意
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返礼品は寄付金額の3割が上限金額に設定されている
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ワンストップ特例制度は利用条件がある
これらのポイントに注意していないと、ふるさと納税でメリットを得るどころか逆に損をしてしまうことも。正しく制度を利用するためにも、それぞれの注意点について詳しく見てみましょう。
ふるさと納税の申請、返礼品申し込みの名義に注意
ふるさと納税をする前には、必ず申請する名義を確認しておきましょう。自分が払っている所得税に対してふるさと納税の申請をする場合には、自分の名義で申請する必要があります。間違って配偶者や世帯主の名義で申請してしまうと、自分の所得税から控除が受けられないことになってしまいます。
一方で、パート年収が103万円以下の方の場合は、メリットのあるふるさと納税をするためにも配偶者の名義での申請がおすすめです。また、ふるさと納税をクレジットカードで行う場合には、カードの名義とふるさと納税申請者が合致していることも必要です。
返礼品は寄付金額の3割が上限金額に設定されている
総務省が創設した「ふるさと納税に係る指定制度」には、ふるさと納税の対象となる自治体の条件として「返礼品の返礼割合を3割以下とすること」とあります。つまり、寄付した金額と同額の返礼品がもらえるわけではありません。また、ふるさと納税は2,000円の自己負担額が発生することもポイントです。例えば、7,000円の寄付をしたとしても、返礼品はその3割の2,100円相当。2,000円の自己負担額で2,100円の返礼品を購入していることになるため、メリットがほぼ生まれません。申請にかかる諸作業や諸経費を考えると、損しているといえるでしょう。
ワンストップ特例制度は利用条件がある
ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税の申請にかかる書類が少なく、手続きを簡略化できる制度です。税金の控除が住民税からのみ行われることも特徴です。しかし、利用するためには「確定申告が不要」で「1年間のふるさと納税先が5つ以内」の場合に限られます。もし、納税先が6つ以上あったり、確定申告の義務が発生していたりするのであれば利用できません。誤って利用しようとしてしまうと、申請がキャンセルされて控除を受けられない場合があります。
ふるさと納税の手順|簡単3ステップ
ふるさと納税をしてみたいけれど、申請に面倒なイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし実際には、次の3つのステップで簡単に行うことができます。
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寄付金控除の限度額を調べる
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寄付先(返礼品)を選び寄付する
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ワンストップ特例制度または確定申告で「寄附金控除」の申請をして完了!
上記の中で最も重要なポイントは、最後の「寄附金控除」の申請のステップです。確定申告やワンストップ特例制度のいずれかを選んで申請を行いますが、正しく申請しないと控除が受けられないこともあります。それぞれのステップについて手順を詳しくみていきましょう。
寄付金控除の限度額を調べる
メリットのあるふるさと納税を活用するには、控除限度額を調べておくことが大切です。控除限度額以内であれば、自己負担金2,000円で返礼品を受け取ることができます。しかし、もし控除限度額を超えて寄付してしまった場合には、その分の負担金が増えてしまうことになります。
具体的な控除限度額を計算するためには、家族構成や各種控除(生命保険控除、医療費控除、社会保険控除など)の金額などの情報が必要です。多くの情報は源泉徴収票に書かれているため、資料を手元に用意しておきましょう。
ふるラボでは、簡単に寄付金控除の限度額を調べられる「かんたんシミュレーター」を用意しています。年収と家族構成を入力し、ボタンを押すだけという、わずか2つの手順で限度額を調べることができるため、気軽に控除限度額を計算してみましょう。
寄付先(返礼品)を選び寄付する
控除限度額を超えないように、好きな返礼品を選びましょう。特に、「ふるラボ」のページでは人気の返礼品を簡単に探せて便利ですよ。また、返礼品に食品を選ぶ場合には、1回の寄付量の調整もポイントです。1度の寄付量は賞味期限までに食べ切れる量とし、複数回に分けて寄付するようにしましょう。分割して寄付しても、寄付金控除は合計した金額で申請できるため安心してください。
寄付した自治体から返礼品が送られてきたら、家族で楽しみましょう。また、寄付金控除の申請に必要な「寄付金控除に関する証明書」が、返礼品とは別に送られてきます。もし紛失してしまうと再発行は難しいため、申請をするまで大切に保管しておきましょう。
ワンストップ特例制度または確定申告で「寄附金控除」の申請をして完了!
ふるさと納税で寄付した金額を、所得税や住民税から控除するために、寄附金控除の申請を行います。
申請方法としては、以下の2つが挙げられます。
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ワンストップ特例制度を使う
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確定申告を使う
それぞれの申請方法について、詳しくみていきましょう。
ワンストップ特例制度を使う場合
ワンストップ特例制度は、ふるさと納税の手続きを簡略化した制度です。必要書類が少なく、確定申告に慣れていない人でも使いやすいでしょう。ただし、ワンストップ特例制度を利用するためには、以下の項目に当てはまっている必要があります。
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サラリーマンなどの給与所得者であり、確定申告の義務がないこと
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1年間の寄付先の自治体が5つ以下であること
ワンストップ特例制度の利用で必要な書類は、次の通りです。
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マイナンバーカード及び申請者本人を確認できる書類
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寄附金税額控除に係る申告特例申請書
寄附金税額控除に係る申告特例申請書は総務省のホームページから入手し、必要事項を記入しましょう。氏名、マイナンバー、住所など基本的な事柄を記入するだけです。ふるさと納税を行った翌年の1月10日までに、必要書類を揃えてふるさと納税を行った自治体に申請すれば完了です。
もし期限を過ぎてしまった場合には、確定申告が必要になるため、締め切りには注意しましょう。なお、翌年の5〜6月に勤務先等から渡される「住民税決定通知書」の金額で、控除が受けられているかどうかを確認できます。
確定申告をする場合
ワンストップ特例制度を利用できない場合には、確定申告を行う必要があります。給与所得者でも、副業収入の申告や医療費控除の申請、住宅ローン減税の1年目の場合の申告が必要です。ワンストップ特例制度は利用できないため、注意しておきましょう。
確定申告に必要な書類は、主に以下の通りです。
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源泉徴収票
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寄附金受領証明書
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還付金受取口座の通帳
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マイナンバー確認書類
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本人確認書類 ※マイナンバーカードを持っていない場合
必要書類を揃えたうえで、確定申告書を記入していきます。手書きの申告書は国税庁のホームページからダウンロードし、必要事項を記入していきましょう。最近では、e-Taxを利用してスマホやパソコンから確定申告する人も増えてきています。税務署まで足を運ぶ必要もないため、便利ですよ。ふるさと納税を行った翌年の3月15日までに必要書類を準備して確定申告を行えば完了です。
また、初めての確定申告で記入内容に不安がある場合には、税務署で確認してもらうこともできます。申請の後からミスが発覚するよりは、申請時にチェックしてもらったほうが安心ですね。もし、申告の期限を過ぎてしまった場合、5年以内であれば税務署に「還付申請」を行うことができます。
ワンストップ制度の場合と同様に、翌年の5〜6月に住民税決定通知書を確認しておくことも大切です。
まとめ
この記事では、パート収入を持つ主婦がふるさと納税を活用するときのポイントを解説しました。パート年収が200万以下の場合には、ふるさと納税を行うメリットがほぼ無いため、配偶者名義での申請がおすすめです。年収が200万円以上で、控除限度額が7,000円以上になるのであれば、多少のメリットが得られます。
ふるさと納税の手順は、①控除限度額を調べる、②好きな返礼品を選ぶ、③寄付金控除を申請する、という簡単な3ステップです。ワンストップ制度を利用すれば、寄付金控除の申請も簡略化できるため、気軽に制度を利用できます。ただし、ワンストップ制度には利用するための条件があるため、事前の確認が必要です。副業収入や医療費控除の申請がある場合には、併せて確定申告してもよいでしょう。
ふるラボは、ふるさと納税に関する解説やマイページが整備されているうえ、初心者でもわかりやすく使いやすいことが特徴です。また、自治体に関する動画や返礼品に関するストーリーなどの幅広いコンテンツも完備。ただ制度を利用するだけではなく、楽しく・メリットを得ながらふるさと納税ができるようになっています。
少しでもふるさと納税が気になっている方は、まずは「かんたんシミュレーター」で控除限度額を調べるところから始めてみませんか。
まずはどんな返礼品があるのか見てみましょう。「いちおしの返礼品」や「種類ごとの人気ランキング」でおすすめの返礼品を探し、気になるものを見つけてふるさと納税を始めてみませんか。