新卒でもふるさと納税はできる!限度額の調べ方や寄付するタイミングも解説

新卒でもふるさと納税はできる!限度額の調べ方や寄付するタイミングも解説

ふるさと納税は、税金が控除されたり、返礼品をもらえたりと、さまざまなメリットが得られる制度ですが、まだ収入が少ない新卒の会社員でも始めることはできるのか、疑問を持たれている新社会人の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、新卒の方がふるさと納税を始めるメリットや注意点、活用方法を詳しく解説していきます。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

目次

ふるさと納税は新卒でもできる!

ふるさと納税は、寄付金控除の適用下限額2,000円以上を納税できる方であれば、誰でも行うことができます。そのため、新卒でまだ収入が少ない方であっても、ふるさと納税をすることは可能です。

ただし、寄付金控除の上限額は納税者の課税所得によるため、まだ収入の少ない新卒の方はそこまで多くの額を納税できず、返礼品を目当てに始める人の場合、あまりメリットを感じにくいかもしれません。

もちろん、寄付額が少なくても、返礼品の中には素敵な品が数多くあります。ふるさと納税のメリットは、返礼品をもらえること以外にもあるため、そのことを踏まえた上で、ふるさと納税を行うかどうか検討するようにしましょう。

新卒でふるさと納税をするメリット

新卒でふるさと納税をするメリットは、主に以下の3点です。

  • 寄付した地域にゆかりのある「返礼品」がもらえる

  • 翌年から支払う住民税が控除される(手取り額が増える)

  • 控除制度など、お金に関する知識を体系的に習得できる

返礼品の種類は、寄付先の自治体によってさまざまです。そのため、食品を選んで食費を浮かせたり、趣味に通ずるものを探したりといった、多種多様な活用方法があります。また、税金面の知識も得られるため、社会人として働く上でもメリットは多いでしょう。以下では、それぞれについて詳しく解説します。

寄付した地域にゆかりのある「返礼品」がもらえる

ふるさと納税をすると、下記のような魅力ある返礼品がもらえます。

<2022年9月時点>

上記はあくまで一例です。返礼品には、食品だけでなく、インテリアや雑貨、レジャーなど、さまざまなジャンルの品があります。どれも地域ごとの特色あるものばかりなので、返礼品を選ぶ楽しみも、ふるさと納税の醍醐味だと言えるでしょう。

なお、ふるさと納税で寄付する金額のうち、2,000円は自己負担となります。

翌年から支払う住民税が控除される(手取り額が増える)

ふるさと納税をして寄付をした金額は、寄付金控除の対象になるため、翌年の住民税として支払う金額が抑えられます。手元に残るお金が増えるので、その分経済的に少し余裕が生まれるでしょう。

ただし、支払う住民税の総額を減らせるわけではなく、あくまで「支払い方」の工夫によって得をするという点に注意してください。ふるさと納税を活用した寄付金控除は、翌年分の住民税の一部を事前に納めながら返礼品をもらうという仕組みです。決して「節税」になるわけではないことを覚えておきましょう。

控除制度など、お金に関する知識を体系的に習得できる

税金には、ふるさと納税の額を対象にした「寄付金控除」など、さまざまな種類の控除制度があります。ふるさと納税を通して税制について学べれば、社会人にとって必要なお金に関する知識を身につけられるでしょう。

また、ふるさと納税の控除制度を上手く活用すると、手元に残る金額を増やせるので暮らしに余裕が生まれます。ふるさと納税をすれば、返礼品などの直接的な利益はもちろん、税金にまつわる知識といった長期的な視点での財産を得られるのも大きなメリットです。

新卒がふるさと納税でつまずきやすい3つのポイント

ふるさと納税を初めて行う人がつまずきやすいポイントとして、以下の3点が挙げられます。

  • 正確な年収がわからず「寄付限度額」が計算できない

  • ふるさと納税をするタイミングがわからない

  • 寄付金控除を受けるための必要な手順がわからない

ここからは、それぞれの悩みについて、解決策とあわせて解説します。

今年の正確な年収がいくらかわからず「寄付限度額」が計算できない

寄付金控除を上手く活用するためには、ふるさと納税の「寄付限度額」を計算しておく必要があります。寄付限度額は、その年の年収を元に算出しますが、年度の途中で正確な年収を把握できず、行き詰まってしまう人も多いでしょう。

正確な寄付限度額を一度に求めるのは難しいので、段階を分けて計算するのが望ましいです。はじめは年収の大まかな目安額を基準にある程度の金額を寄付し、年収が確定する12月に残りの金額分を使うようにするのがおすすめです。

詳しい方法は、「新卒がふるさと納税を行う方法」で説明しているので、あわせて参考にしてください。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

いつまでにふるさと納税をすればいいのかタイミングがわからない

ふるさと納税をしたいけれど、どのタイミングで行えばよいのかわからないという人もいるかもしれません。

ふるさと納税は1年中いつでも受け付けているので、好きなときにいつでも寄付できます。ただし、寄付金控除は1月から12月までに行った寄付金額が対象なので、年をまたいでの寄付にならないよう気を付けましょう。

ふるさと納税で寄付金控除を受けるために必要な手順がわからない

ふるさと納税をして寄付金控除を受けたいけれど、どのような手順を踏めばよいのかわからないこともあるでしょう。寄付金控除の適用は、下記の3ステップで完了します。

  • ふるさと納税を行う

  • 寄付先の自治体が発行する「寄附金受領証明書」を受け取る

  • 確定申告かワンストップ特例制度を使って寄付金控除を申請する

「寄附金受領証明書」は寄付金控除を申し込む際に証明書類として必要なので、必ず保管しておきましょう。

ふるさと納税の手順|返礼品選びから控除申請まで

ふるさと納税に必要な手順は、下記の通りです。

  • 寄付金控除の限度額を調べる

  • ふるさと納税サイトで「返礼品」を選ぶ

  • 寄付後、「ワンストップ特例制度」または「確定申告」で寄付金控除の申請を行う

  • 住民税決定通知書で控除が正しくできているか確認する

以下では、各段階でのポイントを詳しく解説します。

寄付金控除の限度額を調べる

寄付を行う前に、ふるさと納税のポータルサイトなどで公開されているシミュレーション機能を活用し、寄付限度額を調べましょう。ふるラボの「かんたんシミュレーター」では、下記の3ステップで限度額を知ることができます。

  • 「あなたの年収」部分で年収の目安額を選択

  • 「家族構成」部分で配偶者や子どもの有無などを選択

  • 「シミュレーション結果」を参照

例えば、上の画像のように、年収の欄で「300万円」、家族構成の欄で「独身又は共働き」を選択すると、寄付上限額の目安は「28,000円」と表示されます。これはつまり、寄付金額を2万8,000円以内に抑えると、自己負担額2,000円のみで、それ以外にかかったお金は全額寄付金控除が受けられるということです。

「かんたんシミュレーター」では細かなデータ入力は必要なく、自分にあてはまる選択肢を選ぶだけでOK。簡単に寄付限度額がわかるのでおすすめです。ただし、シミュレーターで算出される寄付限度額は、あくまで目安になります。正確な金額を確認したい場合は、お住まいの市区町村の住民税の担当部署や最寄りの税務署、税理士等にお問い合わせください。

ふるさと納税サイトで「返礼品」を選ぶ

次は、ふるさと納税サイトで好きな返礼品を選びましょう。このとき、先に算出した寄付限度額を超えないように気をつけてください。

ふるラボの「ふるラボチャンネル」では、人気の返礼品を動画で紹介しています。季節の品や話題の商品も簡単に探せるので、ぜひ活用してみてください。

寄付をしたら「ワンストップ特例制度」または「確定申告」で寄付金控除の申請を行う

寄付が完了したら、「ワンストップ特例制度」または「確定申告」で寄付金控除の申請を忘れず行いましょう。以下では、それぞれの詳しい申請方法や必要書類などを紹介します。

確定申告をする必要がある場合

確定申告が必要なのは、下記の条件にあてはまる人です。

  • 副業なども含め、源泉徴収されていない収入がある

  • 医療費控除など、ほかの税金控除も利用したい

  • ふるさと納税で6団体以上の自治体に寄付した

また、確定申告を行うには、下記5点の書類を用意する必要があります。

  • 確定申告書類

  • 本人確認書類

  • 収入を証明する書類

  • 寄附金受領証明書

  • そのほかの控除に必要な証明書類

「確定申告書類」は、国税庁のホームページから簡単にダウンロードできます。氏名などの個人情報や1年間の所得額、税金控除額などを記入し、翌年2月16日〜3月15日の申告期間内に所轄の税務署へ提出・納税しましょう。正しく記入できるか不安な場合は、税務署へ直接相談するのもおすすめです。

申告書類の提出時は、「本人確認書類」としてマイナンバーカードや運転免許証なども必要になるので、あわせて準備しましょう。なお、「寄附金受領証明書」は、寄付後に各自治体から発送される書類です。寄付金額の証明として必要なので、申請が終わるまで大切に保管しておきましょう。

ワンストップ特例制度を利用する場合

下記の条件にあてはまる人は、ワンストップ特例制度を利用できます。

  • 納税する自治体が5団体以内

  • ふるさと納税の有無に関わらず確定申告を行う必要がない

寄付先が5団体以内だったとしても、ほかの税金控除を利用する場合は、ワンストップ特例制度が使えないので注意しましょう。なお、ワンストップ特例制度に必要な書類には、下記の2点が挙げられます。

  • ワンストップ特例の適用に関する申請書

  • 本人確認書類

「ワンストップ特例の適用に関する申請書」は、寄付する自治体ごとに提出する必要があります。用紙の案内に沿って、氏名や住所、寄付金額などを明記してください。なお、自治体によって申請書の種類が異なる場合があるので、必ず各団体に問い合わせましょう。

また、「本人確認書類」には、マイナンバーカードや通知カード、運転免許証といったものが挙げられます。「ワンストップ特例の適用に関する申請書」同様、自治体ごとにガイドラインが示されているので、事前に確認しておきましょう。

住民税決定通知書で控除が正しくできているか確認する

寄付金控除の申請が終わったら、翌年に届く納税額の通知書類を確認してください。書類に記載の寄付金控除額が、申請した控除額と同じであればOKです。

なお、ワンストップ特例制度による申請では、住民税のみ控除の対象となりますが、確定申告で申請した場合は、住民税のほか所得税からも控除を受けられます。申告方法に合わせて、該当箇所をチェックしておきましょう。

新卒がふるさと納税を行う方法

前述した手順にあるように、ふるさと納税の寄付金限度額を調べるには、自身の年収を把握しておく必要があります。しかし、新卒の方の場合、正確な年収はまだわからないという方も多いはずです。そのような場合でも、ふるさと納税を行うことはできますので、やり方を押さえて臆せずチャレンジしてみましょう。

「基本給×8カ月(9カ月)+ボーナス」で年収の目安を確認する

ふるさと納税をする前に、自身の寄付上限額を把握しておくことが大切です。しかし、新卒の方がはじめから正確な金額を調べるのは難しいかもでしれないため、まずは目安を計算するようにしましょう。

具体的には、「基本給×8カ月(9カ月)+ボーナス」の計算式を使って求めるのが最適です。

寄付金控除の対象期間は1月〜12月で区切られます。上記の式で、8カ月または9カ月とあるのは、社会人として給与が発生したのが4月あるいは5月からだと仮定しているためです。

例えば、4月から働きはじめ、基本給が23万円で、すでに7万円のボーナスをもらっていた場合は、下記のような計算式になります。

【年収の目安=23万円×9+7万円=214万円】

なお、就職する前の1〜3月にアルバイトなどによる収入が発生している場合は、その分も年収に含める必要があるので注意してください。

年収の目安をもとにシミュレーション機能を使って「寄付限度額」を調べる

年収の大まかな目安を求めたら、ポータルサイトなどにあるシミュレーション機能を使って、寄付限度額を算出してみましょう。前述したように、ふるラボの「 かんたんシミュレーター」であれば「年収」と「家族構成」を選択するだけで、簡単に寄付限度額の目安がわかります。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

11月までに【寄付限度額−1万円】の寄付をしておく

寄付限度額の目安がわかったら、それをもとにふるさと納税を行いましょう。ただし、この段階でわかっている寄付限度額は、基本給などから予測した年収をもとに出した目安に過ぎません。そのため、その目安にあわせてギリギリの金額の寄付をしてしまうと、自己負担額が2,000円を超えてしまう可能性があります。

そこで、まずは11月までに、上限額を超えない程度の金額を寄付するのがおすすめです。具体的には、寄付限度額から1万円を引いた金額を目安としましょう。残りの金額分は正確な年収がわかる12月に寄付すれば、ふるさと納税のメリットを余すことなく得られます。

12月に源泉徴収票をもとに「残りの寄付可能金額」を調べて寄付する

前述のように、新卒の方が正確な寄付限度額を把握できるのは、12月になってからです。それまでに算出した寄付限度額はあくまで目安であるため、12月になって源泉徴収票を受け取ったら、改めて寄付限度額を計算し直しましょう。

正確な年収から算出した寄付限度額から、11月までに寄付した金額を差し引いた金額を寄付すれば、ふるさと納税を最大限お得に行うことができます。

新卒がふるさと納税をする際の注意点

新卒の方がふるさと納税で損しないために知っておきたい注意点は、下記の3つです。

  • 年収を多く見積もると「寄付限度額」を超えてしまうリスクがある

  • 寄付金控除の申請方法を知らないと恩恵が受けられない

  • 年収は「その年の1月から12月」までの収入であることに注意する

年収や寄付限度額の目安を正しく把握せずに寄付してしまうと、最終的に自己負担額が増えてしまう可能性があります。また、寄付金控除の対象期間や申請方法についてよく知っておかないと、ふるさと納税をお得に活用することはできません。

年収を多く見積もると「寄付上限金額」を超えてしまうリスクがある

ふるさと納税を行う際には、寄付金控除を受けられる限度額を把握しておく必要があります。この金額を正しく把握せず、実際の上限額を上回る金額を寄付してしまうと、最終的に2,000円以上の自己負担が発生してしまうことになります。

そのため、実際の年収をわかっていない新卒の方は、あえて年収を少なく見積もっておくことが大切です。そのうえで、後で正確な年収が判明してから、その年の寄付を完了させるようにしましょう。

ふるさと納税を上手く行うポイントは、最適な寄付限度額を算出することです。そのために。あらかじめ年収は少なめに見積もっておき、後から正確な数字をもとに寄付を完了させるようにしましょう。

寄付金控除の申請方法を知らないと恩恵が受けられない

ふるさと納税を通じて寄付金控除を受けるためには、ワンストップ特例制度、または確定申告によって国に申請しなければなりません。

ワンストップ特例制度とは、特定の条件を満たす場合のみ、確定申告せずに寄付金控除を申請できる仕組みです。一方、確定申告は、1月〜12月分の税金額を国に申請する制度です。ワンストップ特例制度の適用条件にあてはまらない場合は、確定申告によって控除を申請する必要があります。

申請漏れのないよう、申請期間や手順はあらかじめ調べておきましょう。前述した「ふるさと納税の手順」では、それぞれの利用条件や必要書類などを解説しているので、あわせて参考にしてください。

年収は「その年の1月から12月」までの収入であることに注意する

寄付金控除の対象となる年収は、その年の4月〜翌年3月ではなく、「その年の1月から12月」までの金額であることに注意してください。

新卒の方の中には、学校を卒業する前の1〜3月にアルバイトをしていたという人も少なくないでしょう。前述の通り、アルバイトで稼いだ収入も年収として計上する必要があります。1年間を「年」ではなく「年度」で捉える癖がついている方は多いので、注意しましょう。

まとめ

今回は、新卒の社会人の方に向けて、ふるさと納税のメリットや活用方法、申請方法などを紹介しました。ふるさと納税を活用すれば豪華な返礼品を受け取れるだけでなく、税金控除にもつながります。社会人に必要なお金に関する知識も身に付くので、社会勉強としても一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

なお、ふるさと納税をする際は、専用ポータルサイト「ふるラボ」の利用がおすすめです。目的に合った返礼品を探しやすく、寄付までの流れもスムーズに行えるでしょう。サイト内では寄付限度額のシミュレーターも公開しているので、ぜひ活用してみてください。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!