ふるさと納税をするならワンストップ特例制度と確定申告どちらがおすすめ?知らないと損する知識を解説

ふるさと納税をするならワンストップ特例制度と確定申告どちらがおすすめ?知らないと損する知識を解説

さまざまな返礼品をもらいながら、控除を受けられることで人気のふるさと納税。2015年からは、ワンストップ特例制度が導入され、さらに利用しやすくなりました。しかし、確定申告とワンストップ特例制度の違いやどちらが効率的なのかについて、疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ワンストップ特例制度と確定申告の違いや、どちらが効率的になるのか、また申請方法についてご紹介します。自分に合ったふるさと納税の利用方法を見つけましょう。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

ふるさと納税をするならワンストップ特例制度と確定申告どちらが効率的なのか?

ふるさと納税とは、応援したい自治体や自分の生まれ故郷の自治体などに寄付ができる制度です。寄付金控除の申請手続きをすることで、原則自己負担2,000円で所得税や住民税から控除を受けることができます。ただし「控除額」には上限があり、年収や家族構成に応じて決められています。

ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をしたあとに、確定申告をしなくても寄付金控除を受けられる制度です。確定申告が必要ない会社員などの給与所得者が利用できます。

ふるさと納税をしたあとは、確定申告をするかワンストップ特例制度を利用することで、寄付金控除を受けられます。ただし、その控除額にはわずかな差が発生するケースがあります。なぜなら、控除額の計算方法が異なるためです。

確定申告の場合は、住民税と所得税から控除されるのに対し、ワンストップ特例制度の場合は、所得税のみから控除される仕組みのため、計算方法が異なり、ほんのわずかな差額が発生するのです。

ここで、所得税率23.21%の人が10万円のふるさと納税を行ったケースを見てみましょう。

<確定申告の場合>

住民税基本控除9,800円(10万円-2,000円)×10%
住民税特例控除6万5,455円(10万円-2,000円)×66.79%
所得税控除2万2,745円(10万円-2,000円)×23.21%
合計9万8,000円(自己負担額2,000円)

<ワンストップ特例制度の場合>

住民税基本控除9,800円(10万円-2,000円)×10%
住民税特例控除6万5,455円(10万円-2,000円)×66.79%
所得税控除2万2,746円6万5,455円×23.21% ÷66.79%
合計9万8,000円(自己負担額2,000円)

確定申告をする場合とワンストップ特例制度を利用する場合とでは、控除額の合計に1円の差額が発生しました。このように、「所得税控除<申告特例控除」になる場合、寄付金額が同じでも控除額がわずかに異なるケースがあるのです。

【ケース別】確定申告が効率的な場合とワンストップ特例制度が効率的な場合

ここからは、確定申告とワンストップ特例制度、どちらか一方が効率的になるケースについてご紹介します。差が出る主なケースは、以下の2つです。

  • ふるさと納税の控除限度額を超えて寄付した場合

  • 住宅ローン控除を利用する場合

ポイントは、控除の対象がどの税金になるのかを理解することです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ふるさと納税の控除限度額を超えて寄付した場合

ふるさと納税の控除限度額を超えて寄付した場合、オーバーした分はふるさと納税で申告できる税控除の範囲外となるため、基本的には自己負担する形になります。

ただし、超過分がすべて自己負担額となるわけではありません。それは、超過分はふるさと納税で申告できる税控除の範囲外にはなりますが、公益財団法人などへ寄付をする際に適用される「寄付金控除」の対象にはなるためです。

この超過分がある場合は、ワンストップ特例制度ではなく確定申告をすることで、自己負担金を減らすことができます。なぜなら、確定申告の場合、住民税と所得税の両方が税控除の対象になるからです。ワンストップ特例制度の控除は住民税から最大10%ですが、確定申告では住民税の10%分に加え、所得税から所得税率分の控除を受けられるので、ワンストップ特例制度に比べ自己負担額を抑えることができるのです。

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住宅ローン控除を利用する場合

住宅ローン控除を利用する場合は、ワンストップ特例制度を利用するのがおすすめです。

ふるさと納税の確定申告と同じく、住宅ローンの控除は所得税と住民税が対象になります。住宅ローン控除を受けつつ、ふるさと納税の確定申告を行った場合、双方で控除枠を取り合うことになってしまいます。そのため、双方をうまく利用するなら、ワンストップ特例制度を利用するのがよいでしょう。

ただし、住宅ローン控除を受ける初年度は、確定申告が必要です。確定申告をすると、ワンストップ特例制度は利用できませんので注意しましょう。

自己負担額が2000円を超えないようにするためには「控除限度額」をしっかり調べよう

ふるさと納税を上手に活用するために重要なことは、「控除限度額」をしっかり把握することです。控除限度額が曖昧だと上限を超えて寄付してしまう可能性があり、多くの自己負担金が生じてしまう原因になります。

年の後半で給与やボーナスが減るなどの想定外のケースも考えられますが、源泉徴収票や年収見込みをもとに、できるだけ正確な控除限度額を算出することが大切です。寄付金控除の限度額を調べるためには、年収のほか、家族構成がわかれば、「ふるラボ」の「かんたんシミュレーター」を使って簡単に算出することができます。

ふるさと納税の確定申告・ワンストップ特例制度の正しいやり方

最後に、確定申告とワンストップ特例制度の申請方法を確認しておきましょう。申請については、それぞれに注意点がありますので、手順を追って説明します。

ふるさと納税の確定申告のやり方

まずは、ふるさと納税の確定申告のやり方について解説します。おおまかな手順は、以下の通りです。

  • 自治体を選び、寄付金をする(返礼品を選ぶ)

  • 寄附金受領証明書(受領書)を受け取る

  • 翌年の確定申告で必要書類とともに寄付金受領証明書を添付して申請する

  • 寄付をした年の所得税が還付され、翌年の住民税から控除を受ける

確定申告の場合、寄附金受領証明書は税務署に申請するまで大切に保管するようにしましょう。寄付する自治体が複数になる場合は、寄附金受領証明書の提出に漏れがないよう注意が必要です。

ふるさと納税のワンストップ特例制度のやり方

次に、ワンストップ特例制度のやり方について説明します。おおまかな手順は、以下の通りです。

  • 自治体を選び、寄付をする(返礼品を選ぶ)※ワンストップ特例制度を利用するかどうかの記載欄があれば「利用する」にチェック

  • 「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を記入し、本人確認書類とともに寄付をした自治体へ翌年の1月10までに郵送する

  • 翌年の住民税から控除を受ける

ワンストップ特例制度の申請書は、基本的には寄付先の自治体から郵送されてきます。ワンストップ特例制度は、手続きが簡単な点がメリットですが、利用でするには以下のような条件があります。

  • ふるさと納税以外の確定申告が不要な給与所得者などであること

  • ふるさと納税の1年間の寄付先が、5自治体以内であること

上記の条件に当てはまる場合は、ぜひ活用してみましょう。

まとめ

ふるさと納税の確定申告とワンストップ特例制度を上手に利用するには、それぞれの特徴をしっかりと理解することが大切です。自身の年収と家族構成から控除限度額を算出し、自己負担額が増えないよう調整しながら賢くふるさと納税を活用しましょう。

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