ふるさと納税で寄附金控除される仕組みとは?控除限度額の計算方法も解説!
自分が応援したい自治体に寄付をしながら返礼品がもらえるふるさと納税。年々利用者が増え、最近ではポピュラーな税金控除制度として人気が高まっています。しかし、実際は、その仕組みがいまいちまだわからないという人もいるのではないでしょうか。どの税金がどうやって控除されるのか、上限はいくらなのか、そんな疑問にお答えしながら、ふるさと納税の上手な活用法をご紹介します。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
目次
ふるさと納税における控除の仕組み【図でわかりやすく解説】
ふるさと納税とは 、自分が選んだ自治体に寄付をすることで、所得税と住民税から「寄付した金額-2,000円」が控除される仕組みのことです。
収入や家族構成によって控除できる額には上限がありますが、返礼品をもらいながら税控除を受けることができるので、魅力的な制度といえるでしょう。
また、平成27年からは「ワンストップ特例制度」が導入され、給与所得者を対象に上限5団体までに限り、確定申告不要でふるさと納税を利用できるようになりました。
まずは、こうしたふるさと納税の仕組みについて基本的なことを解説していきましょう。ふるさと納税を理解するポイントは以下の3つです。
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ふるさと納税で受けられるのは「寄附金控除」
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寄附金控除で「住民税が控除される/所得税が還付される」仕組み
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「ふるさと納税額-2,000円」が課税所得から控除される
ふるさと納税では「寄附金控除 」が受けられる
ふるさと納税で返礼品をもらうために支払ったお金は、「寄附金控除」として扱われ、税金の控除が受けられます。
寄附金控除とは、納税者が国や地方公共団体、財務省が認めた特定の公益法人に対して寄付を行った際に、課税所得を減額してもらえるという制度です。ふるさと納税は、自ら選んだ自治体へ寄付することで、地方の特産品などを返礼品としてもらうことができます。生まれ育った故郷や応援したい地域に寄付をすることで、その金額が「寄附金控除」の対象となり、税額控除が受けられるのです。
寄附金控除で「住民税が控除される/所得税が還付される」仕組み
ふるさと納税における寄附金控除の対象は、住民税と所得税です。寄付をした年に払った所得税の還付と寄付をした翌年に納めるべき住民税が控除されます。控除を受けるということは、実質納税額が下がるということ。つまり、所得全体に対する課税額の割合も下がることにつながります。
控除の内訳は、以下の図を参照しながら解説します。ここでは、確定申告で寄附金控除を受けるケースを考えていきます。住民税の控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれの計算式があります。各控除額の計算方法 は、以下のとおりです。
所得税からの控除=(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%
住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税の税率)
ただし、特例分が住民税所得割額(所得金額に対して課税される住民税額)の2割を超える場合は、住民税からの控除(特例分)=(住民税所得割額)×20%で算出されます。
例えば、所得500万円の人が、5万円のふるさと納税をしたとします。
所得税からの控除額=(寄附金額50,000円−2,000円)×所得税率 20%=9,600円
住民税からの控除額(基本分)=(寄附金額50,000円−2,000円)×10%=4,800円
住民税からの控除額(特例分)=(寄附金額50,000円−2,000円)×(100%−基本分10%−所得税率20%)=33,600円
つまり、所得税から9,600円、住民税から38,400円の計48,000円の控除を受けることになり、上記の図のように、自己負担2,000円のみで全額控除されることがわかります。
ちなみに、ワンストップ特例制度を利用した場合は、所得税の控除は受けられません。代わりに「申告特例控除」によって、自己負担2,000円以外の全額が住民税で控除される形になります。
【結論】「ふるさと納税額-2,000円」分が課税所得から控除される
所得税控除額 の計算式では、「ふるさと納税額-2,000円」に対して所得税率を掛けた金額が控除される仕組みになっています。所得税率とは、課税される所得金額に対する税率です。つまり、「ふるさと納税額-2,000円」が課税所得として計上されていることを意味し、その課税所得分が所得税・住民税から差し引かれているということになります。ふるさと納税の寄附金控除を受けるということは、寄付金額分の課税所得が控除されていることです。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
ふるさと納税の控除限度額の調べ方
それでは、自分の控除限度額を調べてみましょう。大まかな上限目安を知るなら、シミュレーション機能を活用するのがおすすめです。大体の所得や家族構成を入力すれば、簡易的に控除限度額を計算してくれますので、手軽にふるさと納税を利用できます。ただし、給与の他にも収入がある場合やふるさと納税以外にも税金控除を受けられるケースでは、ふるさと納税における控除限度額も変わってきます。
本章では控除限度額を調べるために必要な情報や書類、そしてシミュレーション機能の使い方を解説します。
控除限度額を調べるために必要な情報・書類
ふるさと納税の正確な控除限度額を把握するためには、収入・家族構成・ふるさと納税以外の控除に関する詳細な情報が必要となります。控除限度額を調べる際に必要なのは、主に以下の3点です。あらかじめ準備しておきましょう。
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源泉徴収票
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家族構成
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その他の控除額(住宅ローン控除、医療費控除など)
控除限度額シミュレーションの使い方
手軽に控除限度額を調べるには、やはりシミュレーターを使うのがおすすめです。控除限度額の目安がわかれば限度額超過が防げるだけでなく、「まだまだ寄付ができたのに」といったもったいないミスも防げます。ぜひ、ふるラボのシミュレーターをご利用ください。ふるラボのかんたんシミュレーターなら、わずか3ステップで控除限度額を調べることが可能です。
さっそく「寄付限度額が3STEPで分かる かんたんシミュレーター 」の使い方をご紹介しましょう。
STEP1:給与所得についての入力
該当する年収の金額を選択します。
STEP2:家族構成についての入力
配偶者の有無、さらに既婚の場合は、配偶者に収入があるか否かを選択します。
STEP3:扶養家族についての入力
扶養家族の有無、いる場合には年齢と人数を選択します。
入力は以上です。入力すると、自動的に結果が表示されます。寄付金額に相当する返礼品も合わせて紹介してくれるので、初心者でも迷うことなくふるさと納税を利用できます。
正確な控除限度額を調べる方法は?
ふるさと納税は、収入と家族構成によって控除限度額が異なることがわかりました。シミュレーション機能を使うことで、控除限度額の目安を把握することはできます。しかし、医療費控除や住宅ローン控除など、寄附金控除以外にも控除の手続きをする人は、正確な控除限度額を確認しておくのがよいでしょう。
当然ですが、納税額を超えて控除されることはありません。また、それぞれの控除には、計算方法や上限が設けられています。ふるさと納税の利点は、控除額を自分でコントロールできることです。「どの控除がどの税金からどのくらい控除されるのか」を認識できれば控除枠が重なることを防げます。せっかくふるさと納税で寄付をしたのに寄附金控除が受けられない、などということがないよう事前に調べておくと安心ですね。
正確な金額を知りたいという人は、税務署に相談するのがよいでしょう。自分が見落としている控除や正しく把握できていない細かな制度があるかもしれません。必要書類を揃えてプロに確認してもらうことも1つの選択肢です。
ふるさと納税で寄附金控除を受けるための手順
ふるさと納税で寄附金控除を受けるためには、「確定申告」と「ワンストップ特例制度」の2つの方法があります。それぞれの手順を確認しておきましょう。
<確定申告の場合>
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寄付する自治体を選ぶ(返礼品を選ぶ)
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寄付をする(返礼品を申し込む)
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寄附金受領証明書と返礼品が自治体から届く
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翌年の確定申告期間に必要書類、および寄附金受領証明書持って申請する
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寄付をした年の所得税が還付され、翌年(確定申告をした年)の住民税から控除を受ける
確定申告の際は、寄付した自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」が必要です。届いたら、大切に保管しておきましょう。
<ワンストップ特例制度の場合>
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寄付する自治体を選ぶ(返礼品を選ぶ)
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寄付をする(返礼品を申し込む)※この際、ワンストップ特例制度を利用する場合は、チェック欄などにチェックを入れる
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ワンストップ特例制度の申請書と返礼品が自治体から届く
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ワンストップ特例制度の申請書に必要事項を記入し、本人確認書類とともに寄付した自治体に返送する
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寄付をした翌年の住民税から控除を受ける
ワンストップ特例制度は、「ワンストップ特例制度の申請書」を提出するだけで、控除の申請が完了するシステムです。煩雑な手続きをせずに控除の申請ができるのは、大きなメリットといえるでしょう。しかし、ワンストップ特例制度を利用するには、以下2つの条件があります。
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サラリーマンなどの給与所得者であり、確定申告が不要の方
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年間のふるさと納税先の自治体数が5つ以内の方
※1つの自治体に複数回寄付しても、1カウントとなります。
給与所得以外の収入がある場合や初年度の住宅ローン控除を申請する人、年収が2,000万円以上の人は確定申告が必要となるので、ワンストップ特例制度を利用できません。利用できるかどうかは、あらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
ふるさと納税の仕組みを理解することで、寄附金控除の恩恵を最大限に享受することが可能になります。そのためには、自分の控除限度額や最適な寄付の方法をきちんと把握することが大切です。ぜひ、ふるさと納税を上手に活用していきましょう。
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