ふるさと納税で住民税が控除されているか確認する方法は?住民税決定通知書の見方を解説

ふるさと納税で住民税が控除されているか確認する方法は?住民税決定通知書の見方を解説

手軽に応援したい自治体へ寄付をし、その返礼品まで貰うことができる「ふるさと納税」。しかし、ふるさと納税を行って、本当に住民税が控除されているのか不安な方も多いでしょう。

今回は、ふるさと納税で住民税が控除されているかを確認するための「住民税通知決定書」の見方を解説します。控除されていなかった場合の対処法についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の上限額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

ふるさと納税の控除ができているかは「住民税決定通知書」で確認できる

ふるさと納税の控除が正しくできているかは、住民税が記載された「住民税決定通知書」で確認することができます。「住民税決定通知書」の摘要という項目に記載されている金額が、ふるさと納税の寄付金額の合計から「自己負担分の2,000円」を引いた金額になっているかを確認しましょう。

ただし、これは一般的にはワンストップ特例制度で控除の手続きを行った場合に限ります。確定申告で控除の申告をした場合は、所得税と住民税から還付・控除されるため、「ふるさと納税の自己負担額-2,000円」にはならない可能性があるので注意しましょう。

以降では、ワンストップ特例制度で控除申請を行った場合を想定し、解説していきます。

住民税決定通知書の見方

ふるさと納税で住民税が正しく控除されているかは、「住民税決定通知書」の摘要欄を確認することで判断できます。ここに記載のある「寄附金税額控除額」が、「ふるさと納税で寄付した金額-2,000円」になっていれば、正しく控除されています。

例えば、ふるさと納税を10万円した場合をみていきましょう。

「寄附金税額控除額:9万8,000円」→正しく寄付金控除されている
「寄附金税額控除額:9万2,000円」→正しく寄付金控除されていない

ということになります。

ただし、住宅ローン控除や株式などの配当控除なども、この欄に記載されます。つまり、住宅ローン控除などがある場合には、ふるさと納税への寄付金額よりも高い金額が記載されてしまいます。その際は、自治体に問い合わせて確認しましょう。

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住民税決定通知書はいつ・どこでもらえる?

住民税決定通知書は、毎年5月から6月ごろに送付されます。会社員の方は、勤め先から給与支払時期に貰うのが一般的です。そのほか個人事業主の方などは、「居住地のある市区町村」から送付されます。

ワンストップ特例制度の申請ができたかどうかを確認する方法

ワンストップ特例制度の申請状況は、利用したふるさと納税サイトや寄付先の自治体によって確認方法が異なります。主なポータルサイトでは、マイページで申請状況を確認することができます。たとえば、ふるラボの場合はマイページの寄付履歴詳細から「申請完了」の表示で確認できます。

また、寄付した自治体から特例申請受付書や受理通知メールが届く場合もあります。ただし、すべての自治体がこのような通知を行っているわけではありません。通知がない場合で申請状況を確認したい方は、直接自治体に電話で問い合わせて確認する必要があります。複数の自治体にワンストップ特例制度を申請した場合、自治体によって対応が異なることもあるため、それぞれ個別に確認することをおすすめします。

ふるさと納税で住民税が控除されるのはいつから?

ふるさと納税で住民税が控除されるのは、ふるさと納税を行った年の翌年6月以降の1年間です。住民税は前年の所得に応じてその年の税額を決めます。翌年の月々の住民税から、ふるさと納税の控除分が減額される仕組みです。

ふるさと納税したのに住民税が安くならないのはなぜ?

ふるさと納税を行っても住民税が期待通りに控除されていない場合、申請手続きの不備があった可能性があります。ワンストップ特例制度の申請忘れや、確定申告での寄付金控除の記載漏れなどあると、正しく控除されなくなってしまうため注意が必要です。

なお、ふるさと納税はそもそも税金の前払いの仕組みであり、支払うべき住民税そのものは減らないため、節税・減税効果はありません。税金の節税・減税を期待している方は、ふるさと納税にそうした効果はないことを覚えておきましょう。

また、ふるさと納税は2,000円の自己負担に加えて、控除上限額を超えた寄付についてはふるさと納税の控除対象外となることにも注意が必要です。

正しくふるさと納税の控除がされていなかった場合の対処法

せっかくふるさと納税をしたのに、控除がされていなかったら、寄付をしただけになってしまいます。それでも、自治体を応援する意味では問題ありませんが、控除を期待していたとしたら、残念に思ってしまいますよね。

では、もし住民税が控除されていなかったら、どうすればよいのでしょうか。ここでは、ふるさと納税が正しくできていなかった場合の対処法を2つ解説します。

ワンストップ特例制度が正しく使えていなかった場合

給与所得者であれば、ワンストップ特例制度を利用できます。ただし、寄付先が6自治体以上の場合は利用できません。また、5つの自治体に寄付をしていたのに、4つの自治体にしか申請せず、1カ所分の申請が漏れている場合などは、確定申告を翌年の2月16日から3月15日の間に申告すれば大丈夫です。その際は、すでにワンストップ特例制度を申請した分も全部まとめて1年分の合計で確定申告しましょう。

確定申告の寄付金控除で不備があった場合

確定申告の寄付金控除で不備があった場合は、5年以内なら「更正の請求」によって正しい内容に修正できます。更正の請求に必要な書類を、国税庁ホームページ内にある「確定申告書等作成コーナー」からダウンロードして記入してください。提出先は税務署ですが、e-Taxでも申請できます。提出期限は法定申告期限から5年以内です。できるだけ早く申請をしましょう。これにより、寄付金控除の適用を受けることができる場合があります。

ふるさと納税の寄付上限額を調べる方法

ふるさと納税の寄付上限額は、年収や家族構成によって異なります。控除上限額を超えた寄付はふるさと納税の控除対象外となるため、事前に上限額を確認することが重要です。具体的な確認方法としては、各ふるさと納税ポータルサイトが提供しているシミュレーターを利用するのが簡単でおすすめです。

ふるラボの「かんたんシミュレーター」では、年収や家族構成などの基本情報を入力するだけで、自分の控除上限額を簡単に計算することができます。

また、給与所得者の場合は、以下のような年収に応じた早見表を利用して概算額を確認することもできます。ただし、住宅ローンやその他の控除との組み合わせにより、控除上限額の計算が難しいといった人や、より正確な金額を知りたい場合は、市区町村の税務課や税理士に相談するようにしましょう。

▼早見表

ふるさと納税を行う人の給与収入ふるさと納税を行う人の家族構成
独身
又は
共働き
夫婦共働き+
高校生
1人
共働き+
大学生
1人
夫婦+
高校生
1人
共働き+
大学生と
高校生
夫婦+
大学生と
高校生
300万円28,00019,00019,00015,00011,0007,000
325万円31,00023,00023,00018,00014,00010,0003,000
350万円34,00026,00026,00022,00018,00013,0005,000
375万円38,00029,00029,00025,00021,00017,0008,000
400万円42,00033,00033,00029,00025,00021,00012,000
425万円45,00037,00037,00033,00029,00024,00016,000
450万円52,00041,00041,00037,00033,00028,00020,000
475万円56,00045,00045,00040,00036,00032,00024,000
500万円61,00049,00049,00044,00040,00036,00028,000
525万円65,00056,00056,00049,00044,00040,00031,000
550万円69,00060,00060,00057,00048,00044,00035,000
575万円73,00064,00064,00061,00056,00048,00039,000
600万円77,00069,00069,00066,00060,00057,00043,000
625万円81,00073,00073,00070,00064,00061,00048,000
650万円97,00077,00077,00074,00068,00065,00053,000
675万円102,00081,00081,00078,00073,00070,00062,000
700万円108,00086,00086,00083,00078,00075,00066,000
725万円113,000104,000104,00088,00082,00079,00071,000
750万円118,000109,000109,000106,00087,00084,00076,000
775万円124,000114,000114,000111,000105,00089,00080,000
800万円129,000120,000120,000116,000110,000107,00085,000
825万円135,000125,000125,000122,000116,000112,00090,000
850万円140,000131,000131,000127,000121,000118,000108,000
875万円146,000137,000136,000132,000126,000123,000114,000
900万円152,000143,000141,000138,000132,000128,000119,000
925万円159,000150,000148,000144,000138,000135,000125,000
950万円166,000157,000154,000150,000144,000141,000131,000
975万円173,000164,000160,000157,000151,000147,000138,000
1,000万円180,000171,000166,000163,000157,000153,000144,000
1,100万円218,000202,000194,000191,000185,000181,000172,000
1,200万円247,000247,000232,000229,000229,000219,000206,000
1,300万円326,000326,000261,000258,000261,000248,000248,000
1,400万円360,000360,000343,000339,000343,000277,000277,000
1,500万円395,000395,000377,000373,000377,000361,000361,000
1,600万円429,000429,000412,000408,000412,000396,000396,000
1,700万円463,000463,000446,000442,000446,000430,000430,000
1,800万円498,000498,000481,000477,000481,000465,000465,000
1,900万円533,000533,000516,000512,000516,000500,000500,000
2,000万円569,000569,000552,000548,000552,000536,000536,000
2,100万円604,000604,000587,000583,000587,000571,000571,000
2,200万円640,000640,000623,000619,000623,000607,000607,000
2,300万円773,000773,000754,000749,000754,000642,000642,000
2,400万円814,000814,000795,000790,000795,000776,000776,000
2,500万円855,000855,000835,000830,000835,000817,000817,000

引用:総務省 ふるさと納税ポータルサイト「ふるさと納税のしくみ」

正しい手順でふるさと納税をしよう!

ふるさと納税で控除を受けるためには、正しい手順で申請することが大切です。ふるさと納税の正しい手順をおさらいしておきましょう。

  • 寄付金控除の上限金額を調べる

    上限金額以上に寄付をすると、上限金額を超えた分はふるさと納税の控除対象外となってしまいます。しっかり確認しておきましょう。

  • 寄付する自治体と返礼品を選ぶ

  • 自治体に申し込み、返礼品と「寄附金受領証明書」を受け取る

  • 寄付金控除の申請を行う

    寄付金控除を受けるには、確定申告あるいはワンストップ特例制度のどちらかを利用して寄付金控除の申請をする必要があります。

     

    確定申告の必要がある人の条件は、以下の通りです。

    • ●寄付先の自治体が6自治体以上ある人
    • ●副業による雑所得やアルバイトなど、他の所得がある人(個人事業主を含む)
    • ●医療費控除など、そのほかの控除も申請したい人
    • ●災害減免法によって、所得税などの源泉徴収に対し猶予や還付を受けた人

     

    ワンストップ特例制度を利用できる人は、以下の通りです。

    • ●寄付先が5自治体以内
    • ●かつ、ふるさと納税しなかった場合は確定申告を行う必要がない
  • 「住民税決定通知書」で控除されているかを確認する

この手順を踏むことにより住民税の控除することができます。1の寄付金上限と4の寄付金控除申請は控除を受けるうえでとても大切な手順なので、しっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

ふるさと納税で住民税が控除されているか確認する方法と、住民税決定通知書の見方を解説してきました。さらに、住民税の控除ができていない場合でも、今回解説した対処法で正しく控除を受けられる場合もあるので、諦めないで申請の手続きを行ってください。

また「ふるラボ」を利用すれば、「かんたんシミュレーター」で本人の年収と家族構成を選択するだけで、大まかな寄付上限額を知ることができます。さらに、ふるさと納税に関する知識を得ることもできるので、ふるさと納税をしたみたいという方は、ぜひ「ふるラボ」をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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