ふるさと納税は年金受給者でも可能!控除上限額の調べ方から損しないための注意点を解説

ふるさと納税は年金受給者でも可能!控除上限額の調べ方から損しないための注意点を解説

話題のふるさと納税に興味はあるものの「年金受給者だから」「難しそうだから」と諦めていませんか?実は、年金受給者でも条件を満たせば、ふるさと納税を利用ことができます。

この記事では、年金受給者がふるさと納税をする場合の控除上限額の調べ方、利用するときの注意点、具体的な申し込み手順や控除申請についてご紹介します。この記事を読めば、安心してふるさと納税を利用することができるようになりますよ。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

年金受給者もふるさと納税は可能

年金受給者でも、ふるさと納税は可能です。ただし、年金所得額が一定金額を超えていることが条件になります。

具体的には、以下どちらかの条件に当てはまる場合、ふるさと納税をすることができます。

  • 60歳未満で公的年金等の受給額が105万円以上

  • 65歳以上で公的年金等の受給額が155万円以上

年金受給者のふるさと納税「控除上限額」の調べ方

この項目では、年金受給者がふるさと納税をする場合の控除上限額の調べ方について紹介します。下の計算式によって、控除上限額をシミュレーションしていきましょう。

控除上限額=住民所得割額×課税所得に応じた変数+2,000円

住民税所得割額は、住民税課税決定通知書に記載されている都道府県の税額控除前所得割額と市民税の税額控除前所得割額の合計となります。住民税課税決定通知書は、毎年6月頃に届くので無くさずに保管しておきましょう。また、住民税所得割額は「課税所得金額×10%」で計算することもできます。

課税所得に応じた変数は、以下の表をご確認ください。

課税所得金額

課税所得に応じた変数

~195万円以下

23.559%

195万円超~330万円以下

25.066%

330万円超~695万円以下

28.744%

695万円超~900万円以下

30.068%

900万円超~1,800万円以下

35.520%

1,800万円超~4,000万円以下

40.683%

4,000万円超

45.398%

控除上限額の目安は、年齢や世帯人数によって異なります。よって、ふるさと納税を行う人が複数いる場合、それぞれで利用可否や控除の限度額を調べることが必要です。参考までに、モデルとなる目安を以下に記載します。

  • 65歳未満・公的年金収入150万円で配偶者控除なしの場合:控除限度額11,000円

  • 65歳未満・公的年金収入150万円で配偶者控除ありの場合:控除限度額3,000円

  • 65歳以上・公的年金収入200万円で配偶者控除なしの場合:控除限度額12,000円

  • 65歳以上・公的年金収入200万円で配偶者控除ありの場合:控除限度額4,000円

これらは、ふるさと納税を利用できる最低条件のラインであり、上記より少ない公的年金収入の場合には、控除上限額は0円になります。控除上限額を超えた寄付については、すべてが自己負担となってしまうので、注意しましょう。

また、より正確な控除限度額を把握したい場合は、税理士に相談するのも手です。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

年金受給者がふるさと納税をする場合の注意点

年金受給者がふるさと納税をする場合、以下のような注意点が3つあります。

  • 控除上限額を調べる際は「その他控除項目」も考慮する必要がある

  • 「給与収入」がある場合は「課税所得+年金所得」で控除上限額を調べる必要がある

  • 確定申告をする場合はワンストップ特例制度が使えない

これらの注意点を理解しておかないと、ふるさと納税のメリットを得られません。自己負担額が増えたり、寄付金控除が受けられなかったりといったことが生じる可能性があります。以下、詳しく見ていきましょう。

控除上限額を調べる際は「その他控除項目」も考慮する必要がある

控除上限額を超えると、自己負担額が増えてしまうので、注意が必要です。

ポイントとなるのは、公的年金収入だけではなく、その他の控除項目があるかどうかです。医療費控除、生命保険料控除、配偶者控除など、その他の控除項目を考慮して上限額を調べておくことが必須です。

新たに保険に加入した、配偶者の扶養に変更があった、年金が増減したなど、例年に比べて金額が変動している可能性を考えてみましょう。事前にしっかりシミュレーションを行い、控除上限額を超えない範囲で寄付をするのが安心です。

「給与収入」がある場合は「課税所得+年金所得」で控除上限額を調べる必要がある

公的年金のほかに、不動産所得などのその他の給与所得がある場合は、課税所得と年金所得(年金収入-年金控除)の合算額をもとに、控除上限額を計算する必要があります。

そうしなければ「シミュレーション結果>実際の控除上限額」となってしまい、自己負担額が増えることになってしまいます。

確定申告をする場合はワンストップ特例制度が使えない

ワンストップ特例制度とは、確定申告をせずに寄付金控除を受けられる制度です。年金受給者も利用することができる制度ですが、利用するには以下の条件を満たす必要があります。

  • 公的年金の収入が400万円以下でその他の給与所得がない

  • 寄付先が5自治体以内

その他の給与所得がある場合や、年金収入が400万円を超える場合は、ワンストップ特例制度を使えません。そのため、確定申告で寄付金控除の申請をする必要があるので、覚えておきましょう。

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【年金受給者版】ふるさと納税の手順|申し込みから控除申請まで

年金受給者向けの、ふるさと納税の手順は以下の通りです。

  • 控除上限額を調べる

  • 返礼品を選んで寄付する

  • 控除の申請をする

控除上限額については、先で述べた計算方法でシミュレーションします。その際は、その他控除項目はないか、公的年金の他に収入がないかの2点に注意しましょう。

控除上限額がわかったら、寄付したい自治体を選んで寄付を行いましょう。「ふるラボ」では、返礼品のカテゴリーごとの人気ランキングや季節に合わせた特集、楽しいキャンペーンも掲載されています。ぜひ活用してみてください。

寄付を行い、返礼品を受け取ったら、最後にワンストップ特例制度の申請か確定申告をして、控除の申請を行いましょう。

ワンストップ特例制度を利用する場合は、寄付先の自治体から送られてくる「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に記入し、本人確認書類とともに寄付をした自治体へ翌年の1月10日までに郵送します。また、確定申告の場合は、確定申告書類・本人確認書類のほかに、寄付先の自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」を添付して所轄の税務署に郵送、もしくはe-Taxで申請を行いましょう。

まとめ

この記事では、年金受給者がふるさと納税を行うときの流れや、注意すべきポイントについてご紹介しました。難しそうで、なかなか手を出せなかったふるさと納税が、少し身近に感じられたのではないでしょうか。

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