ふるさと納税と住宅ローン控除(初年度)を併用する際の注意点と手順を解説

ふるさと納税と住宅ローン控除(初年度)を併用する際の注意点と手順を解説

「マイホームを購入して住宅ローン減税を利用したいけど、ふるさと納税との併用はできる?」などといった疑問を持ったことはありませんか?ふるさと納税といえば自分の生まれ育った故郷や、応援したい自治体に寄付をすることで返礼品を受け取れたり、寄付金控除が受けられたりする仕組みのことです。実質負担額2,000円で、バラエティ豊かな畜産物や果物などさまざまな返礼品を受け取れるため人気を集めています。

結論からいうと、住宅ローン減税とふるさと納税の併用は可能です。ただし併用の際には注意が必要。特に住宅ローン控除(初年度)はワンストップ特例制度が利用できないうえ、初めての手続きに戸惑ってしまう可能性も…。そこで今回の記事では住宅ローン控除(初年度)とふるさと納税を併用する際の控除申請の注意点や失敗例、確定申告のやり方などをわかりやすく紹介していきます。

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ふるさと納税と住宅ローン控除(初年度)を併用する場合は確定申告が必要

マイホームを購入後して住宅ローン控除を受ける場合もふるさと納税が利用できます。ただし住宅ローン控除1年目で併用する場合には注意が必要です。住宅ローン控除(初年度)は年末調整での手続きができないため、ワンストップ特例制度が利用できません。そのため確定申告で住宅ローン控除とふるさと納税の控除申請を行わなければなりません。

確定申告と聞くと面倒に感じる方もいるかもしれませんが、2年目以降はワンストップ特例制度の使用条件を満たせば年末調整での申請が可能になるので安心してください。ではワンストップ特例制度の使用条件とはどのようなものなのでしょうか。

住宅ローン控除2年目以降であればワンストップ特例制度の利用が可能

2年目以降は確定申告の不要な給与所得者(会社員など)であれば、年末調整で住宅ローン控除の申請ができます。その際にワンストップ特例制度を利用することで簡単にふるさと納税の控除申請が可能です。

ただしワンストップ特例制度の使用条件を満たしていない場合は、利用できない場合があるので注意が必要。以下のワンストップ特例制度の使用条件に当てはまるかチェックしてみましょう。

【ワンストップ特例制度の使用条件】

  • 1年間の寄付先が5自治体以内

  • 医療費控除などで確定申告をする必要がない給与所得者

  • 給与の収入金額が2,000万円以下の給与所得者

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合の控除限度額はどうシミュレーションすればよい?

ふるさと納税は実質負担2,000円で寄付をした自治体から返礼品を受け取れる制度ですが、控除限度額を超えた寄付分については自己負担となってしまいます。そのため住宅ローン控除とふるさと納税を併用する場合、ふるラボのシミュレーション機能などで控除限度額を確認しておくのがおすすめです。

ただしふるラボの控除額シミュレーションは給与所得以外の所得がない方を前提とした計算方法で、住宅ローン控除や医療費控除など、他の控除を受けていない給与所得者のケースを前提としています。そのため正確な控除限度額を確認したい場合は、お住いの市区町村の住民税の担当部署または税理士などに問い合わせください。

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ふるさと納税と住宅ローン控除(初年度)を併用する際の失敗例

ふるさと納税の利用後は、「ワンストップ特例制度」または「確定申告」のいずれかで税金の控除申請を行わなければなりません。しかしどちらの方法もさまざまな決まりがあるので、中にはメリットを得るはずのふるさと納税で逆に損をしてしまうことも。

ここからはふるさと納税と住宅ローン控除(初年度)を併用する場合に起こりやすい、失敗例と対策方法を紹介していきます。

確定申告で寄附金控除申請するのを忘れてしまった

確定申告 での寄付金控除申請は、ふるさと納税を利用した翌年の2月16日~3月15日の間に行わなければなりません。しかし確定申告をしたにもかかわらず、ふるさと納税の寄付金控除の一部、またはすべてを申告し忘れてしまった場合どうすればいいのでしょうか。

寄付金控除申請を忘れてしまっても、基本的に過去5年分までであれば遡って請求ができます。控除申請を忘れたことに気付いたのが確定申告の締切日の3月15日より前だった方は、再度正しい内容で確定申告をし直せば問題ありません。

また確定申告の期限が過ぎてしまった場合でも、申告書に誤りがあった場合に行う「更正の請求」 を行えば払いすぎた税金を取り戻すことができます。確定申告自体を忘れてしまった場合は「還付申告」 という手続きで還付金を受け取ることが可能です。

寄付金控除の申請を忘れてしまうと還付金を受け取ることができず、実質負担の2,000円を超える金額についてもすべて自己負担額となってしまいます。ですが申請を忘れてしまっても「更正の請求」や「還付申告」など対策はあります。どちらも5年以内であれば申請が可能なので、慌てず落ち着いて対処しましょう。

ふるさと納税の自己負担額が2,000円を超えてしまった

ふるさと納税を利用する際に、「自己負担額2,000円を超えることはないの?」と心配している方は多いのではないでしょうか。基本的にきちんと控除限度額のシミュレーションを行い、限度額の範囲内で利用すれば自己負担額を超えることはありません。

しかし、住宅ローン控除を併用する場合は注意が必要です。住宅ローン控除は通常「所得税」から控除されますが、控除額が多く控除しきれない場合は「住民税」からも控除されてしまうのです。そのため、場合によっては自己負担額が2,000円を超えてしまうので注意しましょう。

住民税からの控除額はマイホームへの居住年によって上限額が定められており、原則として課税所得金額の5%(上限97,500円)の場合が多いです。詳細については各自治体のホームページなどで確認してください。

ここでは自己負担額2,000円を超えてしまう失敗例についてお話ししましたが、きちんと住宅ローン控除や医療費控除を含めた控除限度額のシミュレーションを行っていれば、自己負担額2,000円を超えることはありません。ふるさと納税は利用者のメリットが多い制度。きちんと理解し、上手に利用しましょう。

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ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する際の確定申告の方法・手順

ふるさと納税と住宅ローン控除(初年度)を併用する場合は確定申告での控除申請が必要。では確定申告はどのような手順で行われるのでしょうか。ここでは必要になる書類や確定申告の流れについて紹介します。

併用に必要な書類一覧

ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合、以下のような書類が必要です。

  • 寄付先の自治体により発行される寄付金受領証明書(寄付金の領収書)

  • 対象期間の源泉徴収票(給与所得者の場合)

  • 還付金受取用口座番号

  • 個人番号(マイナンバーカード)のコピー

    ※マイナンバーカードをお持ちでない方は下記2つの書類が必要

    1. ①個人番号確認書類(マイナンバー通知カードのコピー、マイナンバーの記載された住民票の写し)
    2. ②身元確認書類
  • (運転免許証、パスポート)のうちいずれか1つ

  • (健康保険証、年金手帳、提出先自治体が認める公的書類のコピー)のうちいずれか2つ

寄付金受領証明書の送付時期は自治体により異なり、届くまでに1~2カ月かかる場合も。年末ぎりぎりにふるさと納税を利用してしまうと、受領証明書が確定申告の期間に間に合わないこともあるので早めの注文をおすすめします。

確定申告の流れと記入事項

確定申告は以下のような流れで行います。

  • 必要書類を準備する

  • 確定申告書を作成する

    (国税局の確定申告書等作成コーナーで作成できます。)

  • 入力後に印刷した申告書を税務署へ郵送、もしくは直接持参する。

ただし、確定申告の期間中は窓口が混雑していることが多いので、e-Taxでの申請がおすすめ。e-Taxとは、国税に関する各種手続きを、インターネットなどを利用して電子的に行えるシステムです。税務署の開庁時間や場所に左右されず申請ができるので、税務署に行く時間が取れない方にも便利な方法となっています。

まとめ

ふるさと納税と住宅ローン控除(初年度)は併用することが可能です。ただしワンストップ特例制度が使えないため、確定申告での控除申請が必要。少しややこしい部分はありますが、どちらも利用者にとってメリットが多い制度なので注意点を押さえたうえで上手に活用していきましょう。

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