ふるさと納税のデメリットは5つ!損をしないための注意点もわかりやすく解説

ふるさと納税のデメリットは5つ!損をしないための注意点もわかりやすく解説

ふるさと納税に関心があっても、納税の仕組みや控除手続きをわかっていないと始めにくいですよね。本記事では、ふるさと納税利用者のメリット・デメリットについて解説。ふるさと納税の注意点についてもお伝えします。ふるさと納税への不安を解消したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の上限額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

ふるさと納税のデメリットは5つ

ふるさと納税は「応援したい自治体に寄付ができ、地域の名産品などを返礼品として受け取れる制度」です。

メリットばかりのイメージもあるふるさと納税ですが、以下5つのデメリットには留意しておきましょう。

  • 先に金銭を払う必要がある

  • 減税・節税効果はない

  • 寄付金控除の手続 きに手間がかかる

  • 2,000円の自己負担金が必要

  • 控除上限額を超過した場合、その分の多くが自己負担になる

ふるさと納税は、税金を前払いする仕組みで、支払う税金の総額は変わらないため、減税や節税の効果はありません。また、利用には所定の手続が必要なため、煩雑に感じる方もいらっしゃるかもしれません。

さらに、寄付金は全額控除されるわけではなく、2,000円の自己負担は必ず発生します。ただし、控除上限額を超えた分の寄付は、2,000円とは別に、全額自己負担となります。

ここからは、それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

先に金銭を払う必要がある

ふるさと納税で寄付した金額は、税金を減額することができます 。そのため、自己負担金2,000円を除き、所得税や住民税から還付・控除されますが、支払いのタイミング上、税金を先払いしている状況になります。

通常、住民税は、所得が発生した翌年の6月以降に支払うことになっています。住民税だけでみてみると、2024年にふるさと納税をした場合は翌年2025年度の住民税が控除される仕組みです。少なくとも半年ほどは税金を先払いしている状況になり、当面の資金が不足する可能性があるのです。

減税・節税効果はない

ふるさと納税で自治体に寄付をしても、減税や節税の効果はありません。ふるさと納税は、自治体への寄付金のうち2,000円を超える部分が税金から控除される仕組みです。たとえば、ふるさと納税で10,000円の寄付をすると、2,000円は自己負担になるものの、残りの8,000円は住民税や所得税で控除されます。寄付金として税金を前払いすることで、寄付金分が後から払う税金から減額されると考えるとよいでしょう。

寄付金控除の手続きに手間がかかる

ふるさと納税で寄付金控除を受けるには、手続きをしなければなりません。具体的には、確定申告かワンストップ特例制度のどちらかを行う必要があります。ワンストップ特例制度の利用条件に当てはまる方は、申請の手間はそれほどかかりません。ふるさと納税先の自治体数が5つ以下、給与の収入金額が年収2,000万円以下かつ医療費控除などの確定申告が不要の方はワンストップ特例制度の利用をおすすめします。

2,000円の自己負担金が必要

ふるさと納税では、寄付金控除はされるものの、必ず2,000円の自己負担金が生じます。自己負担金は誰にでもかかりますが、ふるさと納税の寄付金控除上限額は年収や家族構成などによって異なります。まずは自分の控除上限額を把握して、寄付する自治体や寄付金額を決めましょう。控除上限額を超えた寄付は自己負担となります。

控除上限額を超過した場合、その分の多くが自己負担になる

控除上限額を超えて寄付をした場合、超えた分の多くは控除が受けられず、自己負担となります。そのため、ふるさと納税で得られたはずの、金銭的なメリットが十分に享受できません。これを避けるためには、シミュレーターなどを活用して、控除上限額の目安を知っておくことが有効です。ご自身の控除上限額の範囲内で、ふるさと納税を行うようにしましょう。

ふるさと納税のメリットは3つ

ふるさと納税は、気をつけるべきデメリットはあるものの、多くの利用者にメリットをもたらす制度です。具体的には、以下3つのメリットがあります。

  • 寄付金控除を受けられる

  • 返礼品をもらえる

  • 思い入れのある地域に貢献できる

ふるさと納税を利用すれば、寄付金という形で思い入れのある地域に貢献し、寄付金控除も受けられます。地域の特産品などの返礼品をもらえるのも、通常の納税にはない大きな魅力です。

ここからは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

寄付金控除を受けられる

ふるさと納税を行うことで、基本的に自己負担金の2,000円を除く寄付金のすべてが税金で控除されます。寄付金控除は、確定申告をすると住民税と所得税から控除。ワンストップ特例制度の利用では、住民税のみから控除されます。控除上限額内であれば、どちらの方法で控除申請をしても控除される金額は変わりません。上限額を超えている場合は、確定申告をしたほうが超過部分も控除の対象となり、控除額が多くなります。

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返礼品をもらえる

ふるさと納税では、寄付金控除を受けつつ、寄付額の3割程度の価値がある返礼品がもらえます。季節の果物や新鮮な魚介類、乳製品など、各地域の特産品に出会えるのもふるさと納税の魅力のひとつです。お米や野菜などの日頃よく使う食材やタオルなどの日用品を返礼品に選べば、生活費を節約することもできるでしょう。自治体によっては、旅行券や体験などを返礼品としているところもあるので、ふるさと納税をきっかけにその土地を訪問してみるのもよいですね。

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思い入れのある地域に貢献できる

ふるさと納税では、好きな自治体を選んで寄付ができます。自分の生まれ育った故郷のほか、旅行で気に入った場所などを選ぶのもよいでしょう。ふるさと納税を通じた寄付金の使い道を指定することも可能。子育て支援や地域活性化など寄付金の用途を選んで、気に入った自治体の町づくりを応援しましょう。返礼品をもらわずに、ただ寄付を行うことも可能です。

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そもそもふるさと納税とは?

ふるさと納税は、地方創生を後押しする目的で2008年にスタートした制度です。

10年連続で利用者が増加しており、2023年度は過去最高の1,000万人超、寄付額も初となる1兆円を突破しました。

そんなふるさと納税は、応援したい任意の自治体へ寄付する(税金を前払いする)ことで、翌年の住民税や、その年の所得税が控除される仕組みです。

控除上限額が7,000円を超える方(自己負担額2,000円を超える価値の返礼品が受け取れる方)であれば、ふるさと納税の利用によって金銭的なメリットが享受できます。

ふるさと納税の注意点

ふるさと納税の利用に際しては、 いくつかの点に注意しないと、制度のメリットが最大限に享受できない可能性があります。

具体的には、以下の4点にご注意ください。

  • 控除上限額を超えて寄付した分は自己負担になる

  • 確定申告かワンストップ特例制度で寄付金控除の申請が必須

  • その他の控除と併用する際は控除上限額を丁寧に確認する必要がある

  • ふるさと納税申し込みの際の名義は控除申請者と同じにする

上記に注意しなかった場合、税金控除の対象外となる(控除が受けられない)・控除上限額が減る・自己負担額が増えるなど、ふるさと納税のメリットが十分に享受できません。 ふるさと納税を行う際には、これらの点に注意しましょう。

ここからは、それぞれの注意点について解説します。

控除上限額を超えて寄付した分は自己負担になる

ふるさと納税の控除上限額を超えて寄付をした場合は、自己負担になるので気を付けましょう。自己負担額2,000円で寄付できる控除上限額の目安は、年収や家族構成、扶養親族の有無などによって異なります。 ふるラボにある「かんたんシミュレーター」を使って、目安額をチェックしてみてください。控除上限額の正確な金額を確認したい場合は、税理士などに問い合わせることをおすすめします。

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確定申告かワンストップ特例制度で寄附金控除の申請が必須

ふるさと納税の寄付金控除を受けるには、確定申告かワンストップ特例制度で手続をする必要があります。各申請の方法について以下で紹介します。

ワンストップ特例制度で寄附金控除の申請をする方法

ワンストップ特例制度は、確定申告が不要な給与所得者が5団体以下の自治体にふるさと納税を行う場合が対象です。ワンストップ特例制度の利用には、寄付した自治体から送られるワンストップ特例制度の申請書を提出するだけ。一部の自治体ではマイナンバーカードによるワンストップ特例制度のオンライン申請も受け付けています。オンライン申請の対応状況については、寄付先の自治体に問い合わせてください。ワンストップ特例制度で申請を行うと、ふるさと納税を行った翌年度の住民税が減額されます。所得税からの控除は行われませんが、控除額の総額は確定申告をしたときと変わりません。

確定申告で寄附金控除の申請をする方法

確定申告をする場合には、ふるさと納税先の自治体から送付される「寄附金受領証明書」を大切に保管しておきましょう。ふるさと納税専用の振込用紙や自治体発行の納入通知書(納付書)でふるさと納税を行ったときは、払込票控(振込用紙の半券)が寄付を証明する書類となる場合も。確定申告は、ふるさと納税をした翌年の3月15日までに居住地の税務署で行ってください。確定申告の際に、寄付を証明する書類を添付する必要があります。確定申告をすると、ふるさと納税をした年の所得税と翌年度の住民税が控除されます。

その他の控除と併用する際は控除上限額を丁寧に確認する必要がある

寄付金控除を住宅ローン控除や医療費控除などの他の控除と併用するときは、丁寧に控除上限額を確認する必要があります。他の控除を受けると、ふるさと納税の控除上限額が減ってしまうためです。控除上限額を超えて寄付をした分は自己負担となるので注意しましょう。あらかじめ住宅ローン控除や医療費控除などを受けることが分かっている場合は、それらを反映してふるさと納税の上限額をシミュレーションしておくことをおすすめします。

ふるさと納税申し込みの際の名義は控除申請者と同じにする

ふるさと納税を申し込むときには、申し込みの名義が控除申請者と同じになるようにしましょう。税金を納めている方が寄付金控除を受けられるため、納税者本人がふるさと納税を行う必要があります。申し込みの際には、支払うクレジットカードの名義も納税者本人のものであるか確認してください。

ふるさと納税をするならふるラボを活用しよう!

ふるさと納税の魅力は、生まれ育った故郷や思い入れのある自治体に寄付ができ、地域づくりに貢献できるところです。過疎が進むような地方の自治体にとって、ふるさと納税は貴重な財源といえるでしょう。ふるさと納税を行うことで、地域の特産品を返礼品として受け取ることができるのもうれしいポイントです。

ふるさと納税を行うときには、必ず控除上限額を丁寧に確認してください。控除上限額は、年収や家族構成、他の控除の利用状況によって異なります。ふるさと納税には減税や節税の効果はありませんが、寄付金控除を受けることが可能に。2,000円を自己負担するだけで返礼品がもらえるので、ふるさと納税の後には確定申告かワンストップ特例制度で寄付金控除の申請を忘れずにしましょう。控除上限額のシミュレーションや寄付先の自治体や魅力的な返礼品を探すときには、便利な「ふるラボ」を参考にしてみてくださいね。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の上限額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!