ふるさと納税の控除限度額がシミュレーションと違う理由は?正確な計算方法を紹介

ふるさと納税の控除限度額がシミュレーションと違う理由は?正確な計算方法を紹介

ふるさと納税を行う前に、控除限度額のシミュレーションをする人は多いはずです。しかし、いざ実際にふるさと納税をしてみると、シミュレーションの控除限度額と金額が違うと感じたことはありませんか。せっかくシミュレーションをしても、ふるさと納税の控除限度額を決める要素を知らないと、十分なシミュレーションができずに損をしてしまうことになるかもしれません。

今回は、控除限度額がシミュレーションと異なる理由と控除限度額を決める要素について解説します。この記事をしっかり読んで、正確な控除限度額でふるさと納税をできるようになりましょう。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

ふるさと納税の控除限度額がシミュレーションと異なる理由

返礼品を貰うためにふるさと納税で支払った金額は「寄付金控除」として扱われ、税金の控除を受けることができるというのがふるさと納税の基本的な仕組みです。

ふるさと納税で寄附金控除の対象となる税金は、住民税と所得税です。寄付をした年に支払った所得税の還付と寄付をした翌年に納めるべき住民税が、ふるさと納税の「寄付金所控除」によって控除されます。控除を受けるということは、返礼品の分、実質の納税額が減るということです。

それでは、詳しい控除の仕組みを以下の図を参照しながら解説していきましょう。ここでは、確定申告で寄附金控除を受けるケースを考えていきます。住民税の控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれの計算式があります。各控除額の計算方法は、以下のとおりです。

所得税からの控除=(ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
住民税からの控除(基本分)=(ふるさと納税額-2,000円)×10%
住民税からの控除(特例分)=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-10%(基本分)-所得税(復興特別所得税を含む)の税率)

ただし、特例分が住民税所得割額(所得金額に対して課税される住民税額)の2割を超える場合は、住民税からの控除(特例分)=(住民税所得割額)×20%で算出されます。

ふるさと納税の所得税控除額の計算式では、「ふるさと納税額-2,000円」に対して所得税率を掛けた金額が控除される仕組みになっています。所得税率とは、課税される所得金額に対する税率です。「ふるさと納税額-2,000円」は課税所得として扱われています。つまり、課税所得に対する所得税率は年収によって変わってきます。もちろん年収が多ければ多いほど所得税率は高くなってくるので、年収が高い人ほど控除限度額は高くなってきます。

また、他に家族構成や保険料、副収入などさまざまな要素で控除限度額は変わってきます。控除限度額は一人ひとり違いがあるので、ふるさと納税では自分の控除限度額を知ることが大切になります。

しかし、さまざまな要因から正確な金額を知るのは難しいのが現状。ここからは、控除限度額がシミュレーションと実際で金額が違った場合に考えられる理由について、以下それぞれ詳しく解説していきます。

  • 記入した年収額が正確ではなかった

  • 家族構成・扶養家族の有無を正しく入力していなかった

  • 去年の年収額でシミュレーションをしてしまった

  • その他控除額が記入されていない/記入できないシミュレーターだった

  • 非課税所得を課税所得として計算してしまった

それぞれの理由について詳しくみていきましょう。

記入した年収額が正確ではなかった

ふるさと納税における年収とは、「額面」の金額のことです。シミュレーターに記入する年収を「手取り」だと勘違いして記入したことのある人もいるのではないでしょうか。「額面」の金額とは、支払われた金額そのままの金額のことで、社会保険料や所得税が控除される前の金額です。

シミュレーターに「手取り」の年収を記入してしまうと、「額面」と「手取り」の差分だけ、ふるさと納税の控除上限額が変わってしまいます。これによって実際の控除限度額とシミュレーターの金額が異なってしまうということが起きます。

家族構成・扶養家族の有無を正しく入力しなかった

次に、家族構成・扶養家族について正しく入力しているかどうかもポイントです。ただ、妻がいる・子どもがいるといったように、何となく入力してしまっている人も意外と多くいます。

ふるさと納税の控除限度額は、家族構成や扶養家族の数によって大きく変わってきます。配偶者控除や扶養控除のように、別の控除を受けている場合は、ふるさと納税での控除額が減ってしまうためです。自身の妻が専業主婦なのか、パートで収入があるのか、(その年の1月1日時点で)16歳以上の扶養家族が何人いるのかといったことは、しっかりと把握しておきましょう。

たとえば、シミュレーターでは夫婦「共働き」でシミュレーションしていたが、妻が仕事を辞めて「片働き」になったなど、実際の状況とシミュレーションの状況が異なることで、控除限度額に差が生まれてきます。

去年の年収額でシミュレーションをしてしまった

昨年の年収額でシミュレーションを行っている人もいます。ふるさと納税をする年の控除限度額は、その年の年収額でシミュレーションしなければ、意味がありません。しかし、年収が正確にいくらになるのかは、年末頃に源泉徴収表を貰わないとわからないため、前年の年収額でシミュレーションをするという人は多くいるでしょう。

毎年収入の変化がない場合は問題ありませんが、前年の収入から大きく変化する人は、その変化の分だけシミュレーションと異なってしまいます。特に、想定よりも年収が低かった場合は、限度額も減ってしまうため自己負担金が増えてしまい、損をしてしまうことにつながります。

その他控除額が記入されていない/記入できないシミュレーターだった

その他の控除額を記入していない、あるいは記入できないシミュレーターを使ってシミュレーションしていることも、控除限度額が異なってくる理由の一つです。

ふるさと納税の正確な控除限度額を知るためには、社会保険・生命保険等の任意保険・医療費控除などさまざまな項目を記入しなければなりません。記入漏れやそもそも記入項目自体がないシミュレーターを使うと、控除限度額と金額が異なってきます。手軽にふるさと納税の限度額を調べられるシミュレーターはたくさんありますが、あくまでも参考程度にとどめるようにしましょう。

非課税所得を課税所得として計算してしまった

非課税所得を課税所得として計算してしまった場合も、控除限度額が異なってしまうことがあります。

出産手当金など非課税の所得を課税所得として計算してしまうと、所得税率が変わってきてしまうため、控除限度額が変わります。出産手当金・育児休業給付金・子供手当や、出張旅費・転勤旅費・通勤手当なども非課税所得となります。収入ごとに課税所得なのか非課税所得なのかをしっかり理解しておくようにしましょう。

ふるさと納税の控除限度額を決める要素には何がある?

ふるさと納税の控除限度額を決める要素はたくさんあります。はじめに、要素を5つ挙げましょう。

  • 今年の給与年収入額

  • 家族構成(扶養家族の有無など)

  • 医療費控除・雑損控除などの「所得控除項目」

  • 不動産所得や配当金収入の有無など

  • 副業をしている場合は副収入や経費金額

以下でそれぞれの要素について解説していきます。

今年の給与年収入額

今年の給与年収入額とは、寄付をする年の1~12月の給与の合計のことです。手当やボーナスなどの特別給付も含まれるので、正確に金額を知ることのできる書類が必要になります。

自身の正確な給与年収額は、「源泉徴収票」で知ることができます。一般的に、勤め先の会社から毎年12月に配布される「源泉徴収票」の「支払金額」の欄に記載されている金額が、一年間の給与年収入額となります。これを元に計算することによって、正確なふるさと納税の控除限度額を知ることができます。

家族構成(扶養家族の有無など)

次に、家族構成・扶養家族の有無も、ふるさと納税の控除限度額を決める大きな要素になります。配偶者控除の対象になる配偶者がいるかどうか、扶養控除の対象となる扶養家族がいるかどうか、いる場合は何人いるかで控除限度額は変わってきます。扶養家族が多いほど、控除限度額は低くなります。

たとえば、配偶者控除等を利用できない「共働き(配偶者の年収が201万円以上)」の人は、「片働き(配偶者の年収が141万円以下)」よりも控除限度額は高くなります。また、(その年の1月1日時点で)16歳以上の扶養家族の数が多いほど、控除の上限は低くなります。ちなみに16歳未満の子どもは控除額に影響を与えません。

家族構成ごとの控除限度額の違いは、総務省のHPで確認することができるので、自分がどこに当てはまるのか、子どもの年齢、配偶者の収入などをしっかり確認してシミュレーションするようにしましょう。

医療費控除・雑損控除などの「所得控除項目」

所得控除とは、所得税を算出する際に一定の要件に当てはまり、所得から差し引かれるもののことです。所得控除があれば所得税の金額も変わり、控除限度額に変化が出ます。

所得控除項目は、次のとおりです。

  • 雑損控除

  • 医療費控除

  • 社会保険料控除

  • 小規模企業共済等掛金控除

  • 生命保険料控除

  • 地震保険料控除

  • 寄附金控除

  • 障害者控除

  • 寡婦控除

  • ひとり親控除

  • 勤労学生控除

  • 配偶者控除

  • 配偶者特別控除

  • 扶養控除

  • 基礎控除

この項目は、国税庁のHPでも確認できます。

不動産所得や配当金収入の有無など

不動産所得や配当金収入がある場合は、課税所得に合算されるので、ふるさと納税の控除限度額が変わります。例えば、家賃収入などの不動産所得が黒字の場合、課税所得にそのまま上乗せされるので、控除限度額は上がります。しかし、赤字の場合は課税所得から赤字分が引かれてしまうので、その分控除限度額は下がります。

配当金収入も同じく、課税所得に合算されるのでふるさと納税の上限金額が変わってきます。しかし場合によって、計算に含む場合と含まない場合があります。それには株式の上場、非上場や特定口座保有の有無などが関わってきます。

不動産投資や株式投資をしている場合は、自身がどれだけの不動産所得・配当金収入を得ているか、自身の取引状況を把握しておくようにしましょう。

副業をしている場合は副収入や経費金額

副収入とは、本業以外の収入全てのことです。本業の他のアルバイトの給与やライター業などの利益も副収入となります。これらの収入は課税所得に合算されるので、しっかり把握しておく必要があります。

また、ライター業の収入は「雑所得」となり、その利益の為に必要な費用を「経費」とすることが可能です。収入から経費を引くことで、課税所得を少なくすることができます。こちらは本業の他に副業をしている人が対象になるので、自身のその年の副収入の合計と経費を把握しておくようにしましょう。

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正確なふるさと納税限度額の計算方法

ここまで説明してきた項目をもとに計算をすれば、理論上正しいふるさと納税の控除限度額を計算することができます。しかし、給与額は年末にならないと分からないという点や他の所得控除とどのように併用すれば得なのかなど、素人が個人で計算をするのは多少無理があります。

そのため、税務署に相談に行くか、税理士に相談したほうが確実です。正確な控除限度額を出したい場合は、専門家に頼ることをおすすめします。

正確なふるさと納税の限度額がわからない場合の対処法

正確なふるさと納税の控除限度額が分からないからといって、年末ギリギリまでふるさと納税ができないわけではありません。概算額をシミュレーションしてから、試算額-1万円程度の金額で、11月までにふるさと納税をするのがおすすめです。

その後、源泉徴収票が手元に届いてから、これを元に正確な金額を算出し、差分額をふるさと納税すると、効率的でお得にふるさと納税を行うことができます。

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ふるさと納税の限度額を超えて寄付してしまうとどうなる?

ふるさと納税の限度額を超えてしまっても、ふるさと納税をすることはできます。しかし、控除上限を超えた金額分は、自己負担になってしまいます。

たとえば、5万円の控除を受けられる人が9万円のふるさと納税をした場合、5万円は控除されますが、上限を超えた4万円分は自己負担額となってしまいます。

金額を超えて寄付をしてしまっても基本的には大丈夫ですが、メリットはあまりないので、限度額を超えないようにしましょう。

ふるさと納税の寄付金控除を受けるための手順

ここからは、ふるさと納税の寄付金控除を受けるための手順を解説していきます。寄付金控除を受けるための方法は、「確定申告で申請する」か「ワンストップ特例制度を利用する」の2種類です。

以下で詳しく解説します。

確定申告する場合

まずは、確定申告に必要な書類の準備をしましょう。確定申告に必要な書類は、以下の4つです。

  • 寄附金受領証明書

  • 対象期間の源泉徴収票

  • 還付金受取用口座番号

  • マイナンバーカード(通知カード+本人確認書類)

「寄附金受領証明書」は、寄付をした自治体から送られてくる証明書です。1年間にふるさと納税を行った寄付先全ての証明書が必要となります。

なお、「ふるラボ」では、マイページから「寄附金受領証明書(XML形式)」をダウンロードすることができます。ダウンロードした受領証明書は、e-Tax電子申請で確定申告する際に活用することが可能。また、PDFに変換したものは、印刷をして確定申告書に添付することもできます。手軽に「寄付金受領証明書」を手に入れることができるので、証明書の管理が面倒な人は、ぜひふるラボを利用してふるさと納税を行ってみてください。

その他の必要書類が準備できたら、必要なところに記入し、e-Taxか税務署に出向いて確定申告を済ませましょう。

ワンストップ特例制度を使う場合

ワンストップ特例制度は、「ワンストップ特例制度申請書」と本人確認書を提出するだけで、控除の申請を完了することができる制度です。この制度を利用する場合は、確定申告を行う必要はありません。

簡単に申請できるワンストップ特例制度ですが、利用するには以下2つの条件があります。

  • サラリーマンなどの給与所得者であり、確定申告が不要である

  • 年間のふるさと納税先の自治体数が5つ以内

給与所得以外の収入がある場合や初年度の住宅ローン控除を申請する人、年収が2,000万円以上の人は、確定申告が必要となるのでワンストップ特例制度を利用できません。利用できるかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

ふるさと納税の寄付金控除が適用されたかどうかを確認する方法

ふるさと納税の寄付金控除が適用されたかどうかを確認するためには、「住民税決定通知書」を見ましょう。「住民税決定通知書」は、ふるさと納税を行った翌年の6月ごろに送られてきます。会社員の場合は、会社を通じて渡されることでしょう。

まとめ

今回は、ふるさと納税の控除限度額がシミュレーションと違う理由、控除限度額に影響を与える要素について解説してきました。せっかくシミュレーションをしても、記入項目を間違えていたり、控除額に影響を与える記入項目が抜けていたりしたら意味がありません。今回の記事で要素をしっかりと確認し、正確な控除限度額の算出ができるようになりましょう。上手に活用すると、自己負担2,000円のみでさまざまな返礼品を楽しむことができます。

ふるラボでは、「かんたんシミュレーター」を使ってふるさと納税の控除限度額の目安を調べることができます。正確な控除限度額ではありませんが、ある程度参考にしてふるさと納税を行うことができます。年末に源泉徴収票が届いたら、再度シミュレーターでより正確な控除限度額を算出して、無駄のないふるさと納税をしていきましょう。

また、返礼品について詳しく知ることができる情報を動画でも発信しているので、ぜひ活用してみてください。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!