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ふるさと納税とは簡単に言うと?仕組み・メリット・やり方を解説

ふるさと納税とは簡単に言うと?仕組み・メリット・やり方を解説

「ふるさと納税って仕組みがよくわからない」「手続きが複雑そうで踏み出せない」と感じている方は少なくありません。名前は知っていても、具体的にどんな制度なのか、自分にどれくらいメリットがあるのかをきちんと理解しないまま、利用をためらっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ふるさと納税の基本的な仕組みから、受けられる税金控除のメリット、実際のやり方まで、初めての方でもわかるように丁寧に解説します。「簡単に言うとどういう制度なのか」をベースに、控除上限額の早見表や申請方法の比較表なども交えて説明していくので、読み終えたあとにはふるさと納税を自信をもってはじめられるはずです。

ふるさと納税とは?制度の意味と目的をわかりやすく解説

ふるさと納税とは、全国の都道府県・市区町村の中から自分が応援したい自治体を選んで寄付できる制度です。2008年に導入されたこの制度は、都市部への人口集中による地方の税収減という問題を解消するために設けられました。地方で生まれ育ちながら都市部で働く人が増えると、地方の自治体は子育てや教育などの行政コストを負担しているにもかかわらず、税収はその人の住む都市に入ってしまう構造があります。そうした地域間の税収格差を少しでも緩和することが、この制度の根本にある目的です。

「ふるさと納税」という名称を聞くと、生まれ故郷や地元に税金を納めるイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし厳密にいえば、これは「納税」ではなく「寄付」にあたります。自治体に対して寄付を行い、その寄付額に対して「寄附金控除」という税制上の仕組みが適用されることで、実質的に税金の支払い先を変えるような効果が生まれる制度です。自分のふるさとである必要もなく、縁もゆかりもない自治体に寄付することもできます。

以降では、ふるさと納税の仕組みをより具体的に解説していきます。

ふるさと納税の仕組みを図解でわかりやすく説明

ふるさと納税の一連の流れは、大きく3つのステップに分けられます。

  • STEP 1:好きな自治体に寄付する

    ポータルサイトや自治体の公式サイトから申し込み、寄付金を支払います。このとき、希望する返礼品も一緒に選びます。

  • STEP 2:返礼品と寄附金受領証明書を受け取る

    寄付後、自治体から返礼品が届きます。また、税金控除に必要な「寄附金受領証明書」も別途送られてきます。

  • STEP 3:寄付した年の所得税の還付と翌年の住民税から税金が控除される

    ワンストップ特例申請または確定申告によって手続きを行うと、所得税の還付と住民税の控除が受けられます。

税控除の仕組みをもう少し具体的に説明しましょう。ふるさと納税では、寄付金額のうち約2,000円を超えた部分が所得税・住民税から還付・控除されます。たとえば、年収500万円の独身の方が控除上限内で60,000円の寄付をした場合、「60,000円-2,000円=約58,000円」が控除の対象です。

ここで重要なのは、控除の効果の現れ方です。「現金が戻ってくる」というイメージを持つ方もいますが、正確には翌年の住民税が安くなる形で現れます(確定申告の場合は所得税からの還付も一部あります)。現金の払い戻しではなく、翌年6月以降に支払う住民税の額が減るという点を、あらかじめ理解しておくことが大切です。

控除上限額とは何か・いくらまで寄付できるのか

ふるさと納税には「控除上限額」という概念があります。これは、実質の自己負担が約2,000円で済む寄付金額の上限のことです。年収・家族構成・ほかの控除の利用状況によって個人ごとに異なるため、まず自分の上限額を把握することがふるさと納税の第一歩となります。

下表は、手取り月収別・家族構成別の控除上限額の目安を示したものです。医療費控除や住宅ローン控除などを受けていない給与所得者を想定しています。

【手取り月収別】上限額早見表

手取り月収の目安想定される額面年収独身・共働き※1※2夫婦※3共働き+子1人(高校生)※4共働き+子1人(大学生)夫婦+子1人(高校生)共働き+子2人(大学生と高校生)夫婦+子2人(大学生と高校生)
約20万円約300万円28,000円19,000円19,000円15,000円11,000円7,000円
約23万円約350万円34,000円26,000円26,000円22,000円18,000円13,000円5,000円
約26万円約400万円42,000円33,000円33,000円29,000円25,000円21,000円12,000円
約30万円約450万円53,000円41,000円41,000円37,000円33,000円28,000円20,000円
約33万円約500万円61,000円52,000円52,000円44,000円40,000円36,000円28,000円
約37万円約550万円69,000円61,000円61,000円58,000円48,000円44,000円35,000円
約40万円約600万円69,000円69,000円69,000円66,000円60,000円57,000円43,000円

※1:「共働き」は、ふるさと納税を行う方本人が配偶者(特別)控除の適用を受けていないケースを指します。(配偶者の給与収入が201万円超の場合)
※2:「夫婦」は、ふるさと納税を行う方の配偶者に収入がないケースを指します。
※3:中学生以下の子供は(控除額に影響がないため)、計算に入れる必要はありません。「高校生」は「16歳から18歳の扶養親族」を、「大学生」は「19歳から22歳の特定扶養親族」を指します。
参考:総務省|ふるさと納税のしくみ 税金の控除について

この表はあくまで目安であり、実際には若干の差異が生じる場合があります。なお、控除上限額を超えて寄付した場合、超過分はほぼ全額が自己負担となります。また、医療費控除や住宅ローン控除、iDeCoなどほかの控除を利用している年は上限額が下がる可能性があるため、複数の控除を活用している方は特に注意が必要です。

ふるさと納税の4つの金銭的なメリット

ふるさと納税には、主に以下の4つの金銭的なメリットがあります。

  • 地域の特産品や高級食材を返礼品として受け取れること

  • 所得税の還付と住民税の控除が受けられること

  • 寄付金の使い道を自分で選んで地域貢献できること

  • クレジットカードで決済すればポイントを貯められること

これらのメリットが広く知られるようになったことで、ふるさと納税の利用者は年々増え続けています。総務省が公表しているふるさと納税に関する現況調査結果(令和7年度実施)によれば、2025年度時点での控除適用者は全国で約1,080万人にのぼります。これほど多くの人が活用している背景には、税金控除と返礼品という二重のお得感があるからにほかなりません。

それぞれのメリットについて、以降で詳しく見ていきましょう。

参考:総務省|ふるさと納税に関する現況調査結果(令和7年度実施)

地域の特産品や高級食材を返礼品として受け取れること

ふるさと納税の制度上、各自治体は寄付金額の3割以内に相当する返礼品を用意することができます。食品・工芸品・宿泊券・体験チケットなど、その種類はさまざまで、地域ごとに個性豊かな品が揃っています。

返礼品の活用パターンとして特に人気なのが、普段の生活ではなかなか手が届かない高級食材です。A5ランクの和牛やカニ・ウニ・いくらなどの海鮮、糖度の高い高級フルーツなど、特別感のある食材を実質2,000円の負担で楽しめるのは、ふるさと納税ならではの醍醐味といえます。一方で、米・ティッシュペーパー・おむつといった生活必需品の定期便を選ぶ方も増えており、家計の節約に役立てるという使い方も定番になっています。

所得税の還付と住民税の控除が受けられること

寄付金から約2,000円を差し引いた金額は、所得税等(所得税と復興特別所得税等のこと。以下同じ)と住民税から控除されます。控除の計算は、以下の3区分で構成されています。

  • 所得税等からの控除:(ふるさと納税額 - 2,000円)× 所得税等の税率

  • 住民税からの控除(基本分):(ふるさと納税額 - 2,000円)× 10%

  • 住民税からの控除(特例分):(ふるさと納税額 - 2,000円)×(100% - 10% - 所得税等の税率)

ただし、ワンストップ特例制度を利用した場合は、所得税からの控除は行われません。その代わり、所得税控除分も含めたすべての控除額が、翌年度の住民税から一括して差し引かれる仕組みになっています。確定申告を行うケースとは控除の仕方が異なる点を、しっかり把握しておきましょう。

寄付金の使い道を自分で選んで地域貢献できること

ふるさと納税では、どの自治体に寄付するかだけでなく、その使い道まで指定できます。子育て支援・環境保全・災害復興・文化財保護など、自治体ごとに複数の使途が用意されており、寄付者が自由に選べる仕組みになっています。

多くの自治体で寄付金の使途指定が可能なため、「被災地を支援したい」「子どもの教育に役立ててほしい」といった想いから自治体を選ぶ、いわば「逆引き」の方法も有効です。返礼品ありきではなく、応援したい分野から寄付先を決めるという選び方も、ふるさと納税の本来の趣旨に沿った活用法といえます。

クレジットカードで決済すればポイントを貯められること

ポータルサイト経由のポイント付与は2025年10月から禁止されましたが、クレジットカード決済によるカード会社のポイント付与は引き続き行われます。たとえば、還元率1%のクレジットカードで50,000円のふるさと納税の決済を行えば、返礼品に加えて500円分のポイントが付く計算です。

より多くのポイントを得たい場合は、普段使っているクレジットカードの還元率を確認するとともに、ポイントアップの対象となるふるさと納税ポータルサイトがないかも調べてみると良いでしょう。ただし、決済に使うクレジットカードは必ず納税者本人名義のものを使用する必要があります。名義が異なる場合、控除を受けられなくなるため注意してください。

ふるさと納税の税控除申請方法:ワンストップ特例と確定申告の違い

ふるさと納税をしただけでは、税額控除は自動的には適用されません。控除を受けるためには、寄付後に必ず申請手続きを行う必要があります。手続きの方法は「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2通りです。

どちらが自分に向いているかを判断するために、まず2つの方法の違いを確認しておきましょう。

【ワンストップ特例制度と確定申告の比較】

項目

ワンストップ特例制度

確定申告

概要

確定申告不要で住民税から一括控除される簡易的な申請方法。寄付のたびに各自治体へ申請書を提出する

翌年2〜3月の申告期間中に税務署へ所得・控除内容をまとめて申告する方法

利用できる条件

①確定申告が不要な給与所得者であること

②年間の寄付先が5自治体以内であること

以下のいずれかに該当する場合は確定申告が必要:

①個人事業主・自営業者

②年収2,000万円超

③副収入が年間20万円超

④医療費控除や住宅ローン初年度控除を利用する

⑤寄付先が6自治体以上

申請期限

寄付した翌年の1月10日必着

寄付した翌年の2月16日〜3月15日

控除の種類

住民税のみから全額控除(所得税控除分も含めて住民税から差し引かれる)

所得税の還付+住民税からの控除の両方(総控除額はどちらも同じ)

ワンストップ特例制度の仕組みと利用条件

ワンストップ特例制度とは、確定申告をしなくても住民税のみから控除が受けられる仕組みです。以下2つの条件をどちらも満たしている場合に利用できます。

  • 確定申告が不要な給与所得者などであること

  • 年間の寄付先が5自治体以内であること

手続きは比較的シンプルで、各寄付先の自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」と本人確認書類を送付するだけです。提出期限は翌年1月10日必着となっています。郵送の場合は余裕をもって発送するようにしましょう。

ただし、給与所得者であっても以下のケースではワンストップ特例は利用できず、確定申告が必要になります。

  • 年収が2,000万円を超える場合

  • 医療費控除を利用する場合

  • 住宅ローン控除の1年目に当たる場合

これらに該当する方は、ワンストップ特例申請をしていても確定申告でふるさと納税の寄附金控除を申告し直す必要があります。

確定申告が必要な人のケースと申告の流れ

確定申告によるふるさと納税の控除申請が必要になるのは、主に以下のケースです。

  • 個人事業主や自営業の方

  • 副収入(給与所得以外)が年間20万円を超える方

  • 寄付先が6自治体以上になった方

  • 医療費控除や住宅ローン初年度控除を利用する方

確定申告の受付期間は翌年の2月16日〜3月15日です。申告の際は、寄付した自治体から送られてくる「寄附金受領証明書」を添付して申告します。なお、2021年分以降の申告では、ポータルサイトが発行する「寄附金控除に関する証明書(電子)」を使って複数の自治体分をまとめて提出することも可能になっています。

一点、見落としがちな注意事項として覚えておきたいのが、ワンストップ特例申請後に確定申告をするケースです。ワンストップ特例を申請済みであっても、後から確定申告を行うとワンストップ特例での申請が自動的に無効になってしまいます。その場合は、確定申告の中でふるさと納税の寄附金控除を必ず一緒に申告し直す必要があります。

【初心者向け】ふるさと納税のやり方:5つのステップ

ふるさと納税は、申し込みから控除手続きの完了まで、以下の5つのステップで進みます。

  • STEP1:控除上限額をシミュレーターで確認する

  • STEP2:寄付先の自治体と返礼品を選ぶ

  • STEP3:寄付の申し込みと支払いを行う

  • STEP4:返礼品と寄附金受領証明書を受け取る

  • STEP5:ワンストップ特例申請または確定申告で控除手続きをする

ふるさと納税ポータルサイトを利用すると、クレジットカード決済・申請書の自動作成・電子証明書の発行といった便利な機能が使えるため、初心者にとっても手続きがしやすくなります。各ステップの詳細を以降で確認していきましょう。

STEP1:控除上限額をシミュレーターで確認する

各ふるさと納税ポータルサイトや総務省のふるさと納税ポータルサイトには、年収・家族構成・その他の控除項目を入力するだけで控除上限額を自動計算してくれるシミュレーターが用意されています。まずはこれを活用して、自分がいくらまで実質2,000円の負担で寄付できるのかを把握しましょう。

シミュレーターで上限額を把握できたら、その8〜9割程度を実際の寄付額の目安にすることをおすすめします。年収は年末にならないと確定しないことが多く、予想より収入が少なかった場合に上限を超えてしまうリスクがあるためです。余裕を持たせた設定にすることで、そうしたリスクを回避できます。

STEP2:寄付先の自治体と返礼品を選ぶ

ポータルサイトでは、カテゴリ(食品・雑貨・体験など)・地域・価格帯などの条件を組み合わせて返礼品を検索できます。「高級牛肉が欲しい」「日用品の定期便にしたい」「応援したい地域がある」など、自分の目的に合わせた探し方ができるのがポータルサイトの便利なところです。

ワンストップ特例制度を使う場合は、寄付先を5自治体以内に抑える必要があります。同じ自治体に複数回寄付した場合は1自治体とカウントされますが、6自治体以上になると確定申告が必要になる点は忘れないようにしましょう。

STEP3:寄付の申し込みと支払いを行う

ポータルサイトまたは自治体の公式サイトから寄付を申し込みます。支払い方法はクレジットカード・コンビニ払い・銀行振込・スマホ決済など、複数の方法が用意されていることが一般的です。

銀行振込の場合は振込手数料が発生することがあるため、手数料も含めたコストを意識して支払方法を選ぶことが大切です。前述のとおり、クレジットカード払いはポイントが付くためお得に活用できますが、必ず納税者本人名義のカードを使用することを厳守してください。申込者と納税者の名義が異なると、控除が受けられなくなります。

STEP4:返礼品と寄附金受領証明書を受け取る

寄付の手続きが完了すると、自治体から返礼品が届きます。到着までの期間は数週間から数ヵ月と幅があり、品物や自治体によって異なります。年末に申し込みが集中する時期は発送が遅れやすいため、特定の時期に受け取りたい場合は早めに申し込むことが賢明です。

あわせて、寄附金受領証明書が郵送で届きます。これは確定申告の際に欠かせない重要な書類です。届いたらすぐに封を開けて内容を確認し、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。なお、2021年分以降の確定申告では、ポータルサイトが発行する電子の「寄附金控除に関する証明書」を使って複数自治体分をまとめて提出できるため、紙の証明書の管理が煩雑に感じる方はこちらの活用も検討してみてください。

STEP5:ワンストップ特例申請または確定申告で控除手続きをする

返礼品を受け取っても、それだけでは税金の控除は行われません。必ずワンストップ特例申請か確定申告のいずれかで手続きを行うことが必要です。この手続きを忘れてしまうと、税金控除の恩恵をまるごと失ってしまうことになります。

また、ワンストップ特例を申請した後に医療費控除などで確定申告が必要になるケースもあります。その場合はワンストップ特例が無効になるため、確定申告の際にふるさと納税の寄附金控除も忘れずに一緒に申告し直すようにしましょう。

ふるさと納税をする際の注意点

ふるさと納税のメリットをしっかり享受するためには、いくつかの落とし穴を事前に知っておくことが大切です。初心者が特に陥りやすい注意点を、以下の表にまとめました。

【ふるさと納税の注意点一覧】

カテゴリ

注意点

控除に関するもの

・控除上限額を超えると超過分はかなりの部分が自己負担になる
・ふるさと納税は節税ではなく税金の前払い
・住民税非課税世帯・低所得者は恩恵を受けられない場合がある
・住宅ローン控除・医療費控除などと併用すると控除上限が下がる場合がある

手続きに関するもの

・ワンストップ特例と確定申告は併用できない
・申請手続きを忘れると控除が受けられない
・申込者と納税者の名義が異なると控除を受けられない
・支払い方法によっては手数料が発生する

返礼品に関するもの

・返礼品の到着まで数週間〜数ヵ月かかる場合がある
・消費しきれない量・不要なものを選ぶと損した気持ちになる
・2025年10月よりポータルサイト経由のポイント付与が禁止された

各カテゴリの注意点について、以降でさらに詳しく解説します。

控除上限額と節税効果に関する注意点

控除上限額を超えて寄付した場合、超過分はほぼすべて自己負担となります。たとえば、上限が33,000円の方が50,000円を寄付した場合、17,000円分は控除されず、2,000円の自己負担と合わせて19,000円が実質の持ち出しになってしまいます。住宅ローン控除や医療費控除、iDeCoなどほかの控除を受けている年は上限額が低くなる場合があるため、必ずシミュレーターで確認するようにしてください。

また、よく誤解されることですが、ふるさと納税は「節税」ではありません。支払う税金の総額は変わらず、あくまでどの自治体に税金の一部を届けるかを変えることができる制度です。控除の効果は翌年6月以降の住民税の減額として現れますが、手元から出ていく税金の総額は変わらない点は理解しておきましょう。

さらに、住民税非課税世帯や課税所得が非常に少ない低所得者の方は、そもそも控除できる税金の額が限られています。寄付した金額がほぼ全額自己負担になるリスクがあるため、控除上限額を十分に確認したうえで判断してください。

申請手続きに関する注意点

寄付をするだけでは税金の控除は一切行われません。ワンストップ特例申請か確定申告のどちらかを、必ず期限内に完了させることが必要です。うっかり手続きを忘れたままでは、返礼品は手元に届いても税金控除は受けられません。

また、ワンストップ特例申請後に確定申告が必要になった場合、ワンストップ特例の申請が自動的に無効となります。医療費控除などのために確定申告をする際は、ふるさと納税の寄附金控除も漏れなく申告し直すことが必須です。この申告し直しを忘れることが、特にやりがちなミスなので注意してください。

加えて、クレジットカードの名義やポータルサイトの登録名義が納税者本人と異なる場合も、控除が受けられなくなります。家族のカードで代わりに支払うといった行為は避けましょう。万が一、誤った名義で申し込んでしまった場合は、速やかに自治体に問い合わせることをおすすめします。

返礼品の選び方に関する注意点

返礼品が届くまでの期間は、数週間〜数ヵ月と自治体や品物によって幅があります。年末は申し込みが集中するため、発送が遅れることも珍しくありません。12月中に届けてほしい場合などは、余裕を持って早めに申し込むことが重要です。

食品を選ぶ際は、保管スペースや消費ペースにも気を配りましょう。大容量の冷凍品を注文したところ冷凍庫に入りきらなかった、大量の生鮮野菜の賞味期限内に食べきれなかったといった失敗は、ふるさと納税あるあるのひとつです。家族の人数や日々の消費量を考慮して、無理なく使いきれる量・種類の返礼品を選ぶことが、満足度の高い活用につながります。

2025年10月からの制度改正で変わったこと

2025年10月より、ポータルサイトを経由した寄付に対するポイント付与が全面的に禁止されました。これまでポータルサイト間でポイント・特典の付与競争が過熱し、ふるさと納税本来の目的である「地域への応援・貢献」という趣旨から乖離してしまっていたことが、禁止の主な背景です。

ただし、クレジットカード決済に伴うカード会社のポイント付与は、この規制の対象外となっており、引き続き付与されます。制度改正後は、ポータルサイトのポイント目的での活用が難しくなった分、「生活必需品の定期便を活用して家計を節約する」「応援したい地域や使途から寄付先を選ぶ」といった、制度本来の趣旨に沿った活用スタイルが改めて注目されています。

まとめ

この記事では、ふるさと納税の基本的な仕組みから、メリット・やり方・注意点までを解説してきました。

ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付を行い、寄付金額から約2,000円を差し引いた分が税金から控除される制度です。「納税」という名称ですが実態は「寄付」であり、返礼品の受け取り・税金控除・地域貢献というさまざまのメリットを同時に享受できます。

ただし、いくつかの点を押さえておくことが大切です。控除上限額は年収・家族構成・他の控除の利用状況によって異なり、上限を超えた寄付は全額自己負担になります。また、寄付後に必ずワンストップ特例申請か確定申告のいずれかの手続きを行わなければ、税金控除は受けられません。ワンストップ特例申請後に確定申告が必要になった場合は、寄附金控除も合わせて申告し直すことも忘れないようにしてください。

まずはシミュレーターで自分の控除上限額を調べるところから始めて、この制度を上手に活用してみてください。

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