ふるさと納税の確定申告のやり方は?必要書類や忘れてしまった場合の対処法も紹介!
ふるさと納税は、自分の故郷や応援したい自治体に寄付を行い、地域貢献できる制度です。寄付額から2,000円の自己負担額分を引いた金額を税金から控除できるほか、寄付をした自治体から返礼品がもらえるため、多くの人が利用しています。しかし、「ふるさと納税を活用してみたいけど、その後の確定申告ってなんだか難しそう」と思う人は多いのではないでしょうか。ふるさと納税をするには、制度利用後の確定申告が大切です。
この記事では、ふるさと納税で確定申告が必要な人について確認した後、具体的な確定申告の方法を解説しています。確定申告が初めてな人も、この記事を読めばスムースに申告できるようになりますよ。
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目次
ふるさと納税の確定申告とは?基礎知識を理解
確定申告とは、個人が1年間に稼いだ所得の金額と、それに対してかかる所得税を計算し、税額を確定させる手続きです。納めすぎた所得税を申告し、精算する手続きでもあります。
ちなみに、実際に稼いだ額が「収入」であるのに対し、収入から社会保険料や各種控除、必要経費などを差し引いたものが「所得」になることに注意しましょう。
確定申告の中で、ふるさと納税に関連する項目は「寄付金控除」と呼ばれます。納税者が国や地方公共団体などに寄付として支出した場合に、所得控除が受けられます。
ふるさと納税で確定申告が必要な人はどんな人?
ふるさと納税を活用した人の中で確定申告が必要な人は、主に以下の3パターンです。
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1年間のふるさと納税の納税先が6自治体以上の人
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ふるさと納税のワンストップ特例制度の申請期限に間に合わなかった人
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ふるさと納税と各種控除(医療費控除や住宅ローン減税など)を併用したい人
上記以外でも、「1年間に20万円以上の副業収入がある給与所得者」や、「2つ以上の事業主から給与所得を得ている人」「給料が2,000万円を超える人」「個人事業主」は、そもそもふるさと納税をしていなくても確定申告をする必要があります。基本的には、ふるさと納税を利用したら確定申告が必要ですが、ワンストップ特例制度を利用する場合に限り、不要となると覚えておきましょう。
ふるさと納税で確定申告をする場合はいつまでにすれば良いのか
「確定申告をする必要があるのはわかったけど、いつまでにやれば良いの?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。確定申告は、1年間に生じた所得に対して、翌年の2月16日から3月15日までに申請することが必要です。
例えば、令和3年1月1日から同年12月31日の所得やふるさと納税に対する確定申告は、令和4年2月16日から3月15日までの間に申請しましょう。申請期間は1カ月ですが、必要書類を集めたり、確定申告書を記入したりすることは期間前でもできます。事前に準備しておくと、想定外のトラブルに対応できるため安心ですよ。
ふるさと納税の確定申告の必要書類は何がある?
ふるさと納税の確定申告をする際には、次の4種類の書類が必要です。
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寄附金受領証明書
地方自治体にふるさと納税(=寄付)をした証明となる書類です。自治体からの返礼品とは別に送付されてくるため、受け取ったら大切に保管しておきましょう。1年間のふるさと納税に対して、全ての寄附金受領証明書が必要です。紛失してしまうと再発行が難しいため、特に注意しましょう。
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対象期間の源泉徴収票
自身の1年間の収入や所得が記載されている書類です。給与所得者であれば、年末調整の際に勤務先から受け取れます。
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還付金受け取り用口座番号
ふるさと納税をすると、寄付金額から2,000円を引いた額に所得税率を掛け合わせた金額が還付されます。還付金は申請者名義の銀行口座に振り込まれるため、その口座番号が必要です。銀行通帳やキャッシュカードのコピーを用意しましょう。ネット銀行などで通帳やカードがない場合は、口座番号連絡書という書類を発行すれば大丈夫です。具体的な発行方法は、取引銀行に問い合わせてみましょう。
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マイナンバーカード(番号確認書類+身元確認書類でも代用可能)
本人確認に利用される書類です。マイナンバーカードを持っていれば、カード両面のコピーが必要です。通知カードのような番号確認書類だけの場合は、運転免許証やパスポートなどの身元確認書類を添えれば大丈夫です。
ふるさと納税の確定申告書類の書き方・作成方法
必要書類を集めたら、確定申告書を記入していきましょう。手書きで申告書に記入する場合は、国税庁のホームページからダウンロードできます。
申告書には、主に給与所得者が利用する「確定申告書A」と、給与所得者以外の人が利用する「確定申告書B」があります。申告書の枚数は、確定申告書Aが第一表と第二表の2枚で、確定申告書Bは第一表から第五表までの5枚です。確定申告書Aの方がBよりも記入が簡便になっており、申告書を作るハードルは低くなります。ただし、確定申告書Aは令和5年以降に廃止予定のため、今後もふるさと納税をしていくの方は、覚えておきましょう。
ここでは、それぞれの確定申告書について、ふるさと納税で利用する場合の書き方を説明します。
<確定申告書Bに記入する場合>
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第一表の寄附金控除の欄に寄付金額から自己負担分2,000円を差し引いた金額を記入します。
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第二表の寄付金控除に関する事項(28)の欄に寄付金額をそのまま記入します。
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第二表の寄附金税額控除の欄に寄付金額をそのまま記入します。
○第一表の記入場所
○第二表の記入場所
引用元:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」(申告書B 【令和3年分以降用】)
<確定申告書Aに記入する場合>
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第一表の寄附金控除の欄に寄付金額から自己負担分2,000円を差し引いた金額を記入します。
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第二表の寄附金控除に関する事項(24)の欄に寄付金額をそのまま記入します。
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第二表の住民税に関する事項の「寄附金税額控除」の欄に寄付金額をそのまま記入します。
○第一表の記入場所
○第二表の記入場所
引用元:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和3年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」(申告書A 【令和3年分用】)
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ふるさと納税の確定申告の提出パターンは3つ
確定申告書を記入したら、税務署に提出しましょう。提出の方法は、大きく分けて以下の3つです。自分に合った提出方法を選びましょう。
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税務署に直接提出する。
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税務署に郵送して提出する。
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e-Taxを使ってオンラインで提出する。
初めての確定申告などで申告内容に不安がある場合は、税務署に行って直接提出すると、内容をその場で精査してもらえて安心です。慣れてきたらe-Taxを利用すれば、自宅にいながらスマートフォンやパソコンで申告書の作成と提出ができるためお手軽です。それぞれの方法の手順や特徴、注意点を見ていきましょう。
税務署に直接提出する
確定申告書を税務署に直接提出する場合、「必要書類」と「確定申告書」を印刷して所轄の税務署へ持参しましょう。自身が住む地域の所轄税務署の場所は、国税庁ホームページで確認できます。
申告内容に不備があった場合、税務署の職員がその場で指摘してくれるため、慣れるまでは直接提出するのがおすすめです。ただし、税務署の開庁時間は平日8時30分から17時までであるため、会社勤めの方などは、仕事を早退したり休暇を取得したりする必要があるかもしれません。場合によっては、確定申告期間内の訪問が難しいこともあるでしょう。
また、確定申告の時期は税務署を訪問する人が増えるため、待ち時間が長くなりやすいことに注意が必要です。申告書のチェックが不要であれば、時間外収受箱に投函する方法もあります。
税務署に郵送する
印刷した「確定申告書」と「必要書類」を封筒にまとめて、税務署に郵送する方法です。申告書の複写が必要な場合には、「控えの申告書」と「返信用封筒」も同封します。送付先は所轄の税務署のため、事前に国税庁ホームページで住所を確認しておきましょう。税務署から離れた場所に住んでいても、わざわざ訪問せずに提出できて便利ですよ。
e-Taxを使いオンライン提出をする
e-Taxを使えば、パソコンやスマートフォンを使って、自宅から確定申告書を提出することができます。最初にアカウント登録などの作業が発生しますが、確定申告書自体もWEB上で作成できるようになるなど、メリットが多くあります。初めてe-Taxを使う場合の設定をやや面倒に感じる人もいるかもしれませんが、次回以降が楽になるため頑張ってみましょう。
初めてe-Taxを利用する場合の手順は、以下の通りです。
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利用者識別番号を取得する
取得方法はいくつかありますが、Web上でマイナンバーカードを使ってアカウント登録をする方法が簡単でおすすめです。詳しくは、e-Taxのホームページを参照してみてください。
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電子証明書の取得
マイナンバーカードを持っていれば、そのICチップに電子証明書が組み込まれています。電子証明書を読み取るためには、別途カードリーダー、またはマイナンバーカード読み取りに対応したスマートフォンを用意する必要があります。
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確定申告書の作成と送信
申告書作成ソフトには複数の種類がありますが、「確定申告書等作成コーナー」がおすすめです。サイトの手順に従って必要項目を記入すれば、確定申告書データを作成できます。そのままの流れで、税務署へデータ送信できることも便利な点です。
ふるさと納税で確定申告をしたら住民税・所得税の控除・還付はいつ?
ふるさと納税の確定申告を行った後、無事に還付・控除が適用されているかを確認しておくことも大切です。例えば、2023年1月1日から12月31日にふるさと納税を利用し、2024年2月16日から3月15日の間に確定申告をした場合、所得税の還付と住民税の控除は以下の期間で行われます。ちなみに、ワンストップ特例制度を利用した場合には、住民税からの控除のみとなるため、留意してください。
確定申告の場合
2023年4~5月に還付
2023年6月~2024年5月の1年間控除
ワンストップ特例制度の場合
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2023年6月~2024年5月の1年間控除
もしも確定申告で寄付金控除申請を忘れてしまったらどうすればよい?
ふるさと納税を利用した人の中には、「確定申告を期限内にできなかった…」という人もいるかもしれません。せっかく自治体に寄付しても、確定申告で寄付金控除申請をしなければ、損をしてしまいます。しかし、確定申告には「更正請求」という制度がありますので、安心してください。
更正請求とは、確定申告後に税額に誤りがあったり、確定申告を行わなかったりした場合に申告期限から5年間であれば、正しい金額に訂正できる手続きのことです。国税庁のホームページから「更正の請求書」を入手して記入し、「必要書類」とともに所轄の税務署に提出すれば大丈夫です。申請から概ね1~2カ月で、指定の口座に還付金が支払われます。
まとめ
この記事では、ふるさと納税をした後の確定申告のやり方について、わかりやすく解説してみました。ふるさと納税で各自治体に寄付した場合、確定申告をすることで所得税からの還付と住民税の控除が受けられます。
また、確定申告に慣れていなくて不安な人に向けて、確定申告書の入手から税務署に提出する手順も紹介しました。確定申告書には多くの項目がありますが、ふるさと納税に関わる項目は3箇所程度です。一見難しく思える確定申告も、慣れてしまえば簡単なもの。ふるさと納税を積極的に活用して、効率よく納税しましょう。
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ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!