ふるさと納税と住宅ローン控除や医療費控除は併用できる?やり方や注意点を解説
自分の故郷を応援したり、さまざまな返礼品を貰えたりなどの魅力で近年注目を集めているふるさと納税。実は、医療費控除や住宅ローン控除と併用することができるのをご存知ですか?
この記事では、ふるさと納税と医療費控除・住宅ローン控除との併用メリットや方法などをご紹介していきます。「自分も取り入れたいが、やり方が分からない…」「併用して損はしないのか?」といった疑問を持っている方は、ぜひ参考にして下さい。
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目次
ふるさと納税と住宅ローン控除や医療費控除は併用可能
結論から言うと、ふるさと納税は住宅ローン控除や医療費控除と併用可能です。
ただし、住宅ローン控除によって所得税や住民税の納税額が減額されると、ふるさと納税の控除上限額も減少します。また、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合、所得税では住宅ローン控除よりふるさと納税の寄付金控除が優先されるため、住宅ローン控除はふるさと納税の残り分となるため、控除の金額を満額受けられないというケースもあるので注意しましょう。
住宅ローン控除とは?上限額や利用条件を確認しておこう
住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは、住宅ローン利用者の金利負担軽減を目的として作られた制度です。正式名称は、「住宅借入金特別控除」といい、年末時点でのローン残高の0.7%が減税対象となります。また、住宅ローンの控除額が所得税額を上回る場合、控除しきれなかった部分は住民税から控除される仕組みです。
住宅ローン控除の利用条件は、以下の通りです。
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控除を受けた人が、居住すること
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床面積が50㎡以上あること
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合計所得金額が2,000万円以下であること
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ローン期間が10年以上あること
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住宅を取得した日から6ヵ月以内に入居すること
別荘など、控除の対象外になる物件もあるため、購入した物件が控除の対象かどうか、事前に調べておきましょう。
医療費控除とは?上限額や利用条件を確認しておこう
医療費控除も住宅ローン控除と同じように、ふるさと納税と併用することができます。
医療費控除とは、毎年1月1日から12月31日までに支払った医療費が10万円(総所得額が200万未満の場合は総所得額の5%)を超えると、超えた金額に応じて所得控除を受けられる制度です。自分の医療費だけでなく、生計を同一にする家族の医療費も合算することができます。
医療費控除額は、以下の計算式で算出することができます。
医療費控除の金額=(1年間に支払った医療費の合計額)※1-(保険金などで補填される金額)※2-10万円(総所得金額が200万円未満の場合は総所得金額の5%の金額)
※1 医療費の対象となる項目:診療費・治療費・入院費、入院時の部屋代、処方箋が必要な医薬品の購入費用、通院時の交通費、など
※2 生命保険などの入院給付金、出産育児一時金、など
医療費控除は、確定申告で手続きすることが必要です。税務署に必要書類を持参や郵送、または「e-Tax」のオンラインで申告をしましょう。必要書類の種類は、後の「医療費控除のやり方」で記載します。
ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する際の注意点
ふるさと納税と住宅ローン控除を上手に併用することで、大きな減税効果を得ることができます。ただし、そのためには控除額を把握することが大切です。
ふるさと納税の寄付金控除を確定申告によって申請する場合は、特に注意が必要です。確定申告では、控除の対象が所得税と住民税の双方になります。所得税では、住宅ローン控除よりふるさと納税の控除が優先されるため、あとから控除される住宅ローンの控除額が減ってしまう恐れがあるのです。
また、住宅ローン控除は、所得税から控除しきれなかった分は住民税から控除されますが、住民税の控除額には上限があります。所得税でまかないきれなかった控除額が大きいと、住民税の控除上限をオーバーしてしまう可能性があるので、注意しましょう。
住宅ローンを控除するには、基本的に確定申告が必要となります。その際には、住民税から控除される住宅ローン減税の限度額には注意して下さい。所得税控除の金額合計(ふるさと納税+住宅ローン控除)が所得税額を上回ってしまうと、上回った分の控除額分損してしまいます。確定申告をする際は、限度額を超えていないかよく確認しましょう。
また、住宅ローン控除を受ける1年目は、確定申告が必須です。そのため、ふるさと納税におけるワンストップ特例制度が使えない点も覚えておきましょう。
ワンストップ特例制度とは、確定申告をせずに寄付金控除の手続きを行える制度です。この制度は、以下の条件に該当する人が利用できます。
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(住宅ローン控除と併用する場合)住宅ローン控除が2年目以降の人
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確定申告を必要としない給与所得者(個人事業主や他の理由で確定申告する人は利用不可)
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ふるさと納税で1年間に寄付した自治体が5カ所以下の人(6自治体以上は確定申告が必要)
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
ふるさと納税と医療費控除を併用する際の注意点
ふるさと納税と医療費控除を併用する際の注意点は、大きく2つあります。
1つめは、ワンストップ特例制度を利用できない点です。ふるさと納税と住宅ローン控除を併用する場合、住宅ローン控除が2年目以降であればワンストップ特例制度を利用できます。しかし、医療費控除の場合は、確定申告をする必要があるので、覚えておきましょう。
2つめは、ふるさと納税の控除上限額が変わる点に注意が必要です。医療費控除を申告すると課税所得額が減ることになるため、ふるさと納税の控除限度額も減ることになります。医療費控除を加味せず「ふるさと納税の控除上限額」を調べて寄付をすると、自己負担額が2,000円を超えてしまう可能性があるため、事前にしっかり確認をしておきましょう。
ふるさと納税と住宅ローン控除・医療費控除の併用で失敗しないためのポイント
ふるさと納税と他の控除を併用することは、控除額が大きくなるというメリットがありますが、失敗してしまうとマイナスが発生する事態に陥ります。
正しく併用するためには、ふるさと納税の控除上限額を調べる際に「正確な控除額(医療費控除、住宅ローン控除)」を記入して、正しい「控除上限額を調べること」が重要です。人によって上限額や控除額は異なるため、細かく計算しましょう。
ふるさと納税との併用がはじめての人は、特にこの作業を大切にすることで、失敗する可能性を低く抑えられるでしょう。
ふるさと納税の「正確な」控除上限額を調べる方法は?
では、正確な控除上限額を調べるには、どうすればよいでしょうか。おすすめの方法は、源泉徴収票と住宅ローン控除額、医療費控除額を正確に把握したうえで、シミュレーション機能などを活用することです。ウェブサイト上で必要項目を入力すると、自動的に金額を算出できるサービスがあります。計算方法が分からない方、少し不安な方はぜひ使ってみて下さい。
また、控除上限を下回る分には自己負担2,000円を超える心配はないため、概算で上限額を算出して11月までに8割程度の「絶対に控除額を超えないライン」でふるさと納税をしておくのもひとつの手です。自分に合った方法で、上手に控除制度を活用しましょう。
ふるさと納税と住宅ローン控除・医療費控除を併用する場合のやり方
ここからは、ふるさと納税、住宅ローン控除、医療費控除のそれぞれのやり方や注意点について解説します。
ふるさと納税のやり方
ふるさと納税は、自分の故郷や応援した自治体を選んで寄付をし、そのお礼として特産品が貰えたり、控除が受けられたりする制度です。
一見難しそうですが、実はそれほど複雑な作業は必要ありません。まずは、寄付をする本人の寄付金控除上限額を調べましょう。その後、上限額に収まる範囲で寄付をしたい自治体を選び、申し込みます。自治体から返礼品と寄附金受領証明書が届くので、寄付金控除の手続きをして完了です。
住宅ローン控除のやり方
ふるさと納税と住宅ローン控除の併用には、2種類の方法があります。
1つ目は、確定申告で申請する方法です。住宅ローン控除1年目の場合は、このやり方が必須になります。申告時には、確定申告書類のほか、寄附金受領証明書が必要です。この証明書は、ふるさと納税をしたことの証明になる書類で、申し込みから2週間~2カ月ほどで自治体から届きます。紛失しないように保管しましょう。必要書類は以下の通りです。
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寄附金受領証明書
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源泉徴収票
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口座番号(還付の場合)
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マイナンバー通知カード(もしくはマイナンバーカードのコピー)
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口座情報(還付の場合のみ)
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身分証明書(ただしe-Taxを利用する場合は不要)
2つ目が、ワンストップ特例制度を利用する方法です。住宅ローン控除2年目以降で、確定申告の必要がない人におすすめのやり方となります。利用方法は、まず、ふるさと納税を行います。その際、「ワンストップ特例制度を利用する」ことを選択する箇所がある場合は、必ず「利用する」を選んでおきましょう。
その後、返礼品や寄附金受領証明書が各自治体から送られてくるので、ワンストップ特例制度申請書に必要事項を記載し、各自治体に返送しましょう。申請書は、総務省のホームページなどからダウンロードも可能です。記載ミスや申請漏れがないように注意しましょう。
医療費控除のやり方
ふるさと納税と医療費控除を併用する際の医療費控除の申請方法は、通常の確定申告と大まかなやり方は変わりません。確定申告書類などの他に、寄附金受領証明書を加えるだけです。必要書類は以下の通りです。
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寄附金受領証明書
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確定申告書
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源泉徴収票
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マイナンバー通知カード(もしくはマイナンバーカードのコピー)
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口座情報(還付の場合のみ)
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身分証明書(ただしe-Taxを利用する場合は不要)
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印鑑(電子申告は不要)
医療費控除を受けるためには、医療機関を受診した際の領収書やレシートをもとに「医療費控除の明細書」を作成し、上記の必要書類とともに提出します。明細書の用紙は、税務署の窓口もしくは国税庁のホームページで入手可能です。
まとめ
ふるさと納税は、魅力的な返礼品の他に、住宅ローンや医療費などの控除とも併用できるメリットがあります。皆さんも正しく制度を理解した上で、上手に活用してみてください。
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