ふるさと納税は複数の自治体に寄付できる?2,000円で済む件数上限はあるのか解説
ふるさと納税の返礼品には魅力的なものがたくさんあるため、どの自治体に寄付しようか迷ってしまう人は多いのではないでしょうか。また、一つの自治体だけでなく、複数の自治体に寄付したいと思う人もいるでしょう。そこでこの記事では複数の自治体に寄付ができるのか、またその際に自己負担金は変わるのかどうかについて解説します。ふるさと納税の寄付先選びに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!
目次
ふるさと納税は複数自治体に寄付できる
ふるさと納税の寄付先を探してみると、1,000円から寄付できるものも多いことがわかります。その際、複数の自治体に少額ずつ寄付を申し込んでよいかどうか、気になる人もいるのではないでしょうか。結論から言うと、複数の自治体に寄付することは、何の問題もありません。
また、控除上限額に収まる金額の寄付であれば、複数の自治体に寄付をしても、自己負担金が2,000円を超えることもありません。自己負担金は寄付ごとに計算されるのではなく、すべての寄付金額の合計額から算出されます。そのため、控除上限額以内の寄付であれば、複数の自治体に寄付をしても自己負担額は増えないのです。
ふるさと納税に寄付先の件数上限はない
ふるさと納税は、複数の自治体に寄付できます。寄付先の件数に上限も設けられていません。控除上限額を超えない限りは、寄付先がいくつあっても自己負担額は2,000円で済みます。
ただし、ワンストップ特例制度を利用する場合は、寄付の「申込回数」に応じた数の「ワンストップ特例申請書(寄付金税額控除に係る申告特例申請書)」を提出する必要があります。
例えば、以下のように3つの自治体に寄付をした場合、「ワンストップ特例申請書」は3枚必要です。
<寄付先の例>
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福岡県 飯塚市―「おおやま」博多もつ鍋(みそ味/3人前):10,000円
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高知県 須崎市―藁焼きかつおタタキ 2.1kg:10,000円
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兵庫県 淡路市―淡路島たまねぎ 大きな2Lサイズ 5kg:5,000円
<2022年10月時点>
申請書は、寄付をした自治体から送られてきますが、万が一送られてこなかった場合は、総務省のホームページからダウンロードするなどして用意しましょう。
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ふるさと納税では同じ自治体に複数回申し込んでも問題なし
複数の自治体に寄付することはもちろん、同じ自治体に複数回申し込むことも問題ありません。
例えば、以下のように同じ自治体でもさまざまな返礼品が用意されていることもあるため、気に入った返礼品があれば、同じ自治体であっても複数回申し込むことができます。
<寄付先の例>
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高知県 大月町―【高知県大月町産】 花咲農園の30日熟成した「紅はるか」約3kg:7,000円
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高知県 大月町―【大満足の10kg!】温暖な気候が育んだ土佐文旦:13,000円
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高知県 大月町―【高知県 大月町産 ブランド米】春遠米(ヒノヒカリ) 5kg:9,000円
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高知県 大月町―高知県大月町への応援寄附金【返礼品なし】:1,000円
<2022年10月時点>
また、特定の自治体を応援したい、自身の故郷に寄付したいという人も、同じ自治体に複数寄付することができるため、その分多くの金額を寄付することができるでしょう。
ただし、同一自治体への複数回の寄付であっても、「ワンストップ特例申請書」は寄付回数分必要です。上記の例だと4枚必要になるので注意しましょう。
同じ返礼品に複数回申し込むこともOK
ふるさと納税は、同じ自治体の同じ返礼品に複数回申し込むことも可能です。例えば、同じ産地の同じお米を3回申し込んだり、活動支援の寄付1万円分を4回申し込んだりしても問題ありません。
ただし、この場合もワンストップ特例制度を使う際は、「申込回数分」の申請書が必要となります。
件数上限はないが「ワンストップ特例制度」を使う場合は5自治体以内にする必要がある
ふるさと納税で寄付金控除を受けるためには、ワンストップ特例制度を活用するか、確定申告を行う必要があります。個人事業主など、確定申告が必要な人以外は、ワンストップ特例制度を利用するのが簡単で便利です。
しかし、ワンストップ特例制度で申請できる自治体数は、5つまでと決められています。そのため、寄付できる自治体数に限りはないものの、ワンストップ特例制度を利用したいと考えている場合には、寄付先を5自治体以内にしましょう。
もし、寄付先が6自治体以上となった場合には、寄付をした全自治体分の寄付金控除を確定申告で申請する必要があります。
複数自治体にふるさと納税する際の注意点
さまざまな返礼品を選べるふるさと納税ですが、複数の自治体へ寄付すると、その分必要書類の数や手間も増えます。寄付金控除の申請時に慌てないためにも、申請のやり方や注意点を押さえておきましょう。
ワンストップ特例制度を使う場合
まずは、ワンストップ特例制度を使う場合の手順を説明します。ちなみに、ワンストップ特例制度は「確定申告が不要な給与所得者」かつ「ふるさと納税を行う自治体が5団体以下」の人が対象です。申請にあたってのおおまかな流れは、以下の通りです。
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寄付をする自治体を選ぶ(返礼品を選ぶ)
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寄付を申し込む(ワンストップ特例制度を利用するかどうかの記載欄があれば「利用する」にチェック)
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申請書を記入し、本人確認書類とともに寄付をした自治体へ翌年の1月10までに郵送する
「3」で必要な申請書と、本人確認書類は、以下の通りです。
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寄附金税額控除に係る申告特例申請書
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マイナンバーカード及び申請者本人を確認できる書類
複数の自治体に寄付する際、必要書類や本人確認書類も申込回数分必要になるので、覚えておきましょう。
確定申告をする場合
確定申告をする必要があるのは、個人事業主や給与が2,000万円を超える方、ふるさと納税以外のほかの控除を併用する方などです。また、ふるさと納税で6自治体以上の自治体に寄付した方も、確定申告をして、寄付金控除の申請をしましょう。確定申告は以下の手順で行います。
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寄付をする自治体を選ぶ(返礼品を選ぶ)
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寄付を申し込む
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確定申告書を作成する
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作成した確定申告書と寄付金受領証明書、本人確認書類などを寄付した翌年の2月16日~3月15日までに税務署へ提出する
「寄付金受領証明書」は寄付を行ったあと、寄付先の自治体から送られてきます。証明書がないと控除申請ができませんので、届いたら必ず保管しておきましょう。もし紛失した場合は、自治体へ連絡して再発行してもらいます。
複数自治体にふるさと納税をする方法
複数の自治体にふるさと納税をする前に、まずは自身の寄付金控除上限額を調べましょう。控除上限額は、年収や家族構成によって異なります。「ふるラボ」のかんたんシミュレーターなら年収と家族構成を選ぶだけで簡単に控除上限額がわかります。
控除上限額がわかったら、あとはその金額を超えないように、寄付する自治体を選ぶだけです。ワンストップ特例制度を使うなら5団体まで、確定申告ならいくつ選んでも構いませんが、くれぐれも控除上限額を超えないよう注意しましょう。超えてしまった分は控除適用外となり、その分自己負担額が増えてしまうので、注意しましょう。
最後は、必要書類を申込回数分用意して、「ワンストップ特例制度」および「確定申告」をそれぞれの方法で申請すれば、ふるさと納税は完了です。
複数自治体への寄付を考えているならふるラボを使ってみよう
ふるさと納税は、寄付する自治体数や寄付回数の制限もないため、気になる返礼品を複数選んで寄付することができます。ただし、ワンストップ特例制度を利用する場合は、寄付する自治体数が6団体以上とならないよう注意しましょう。
食品から工芸品、旅行や体験などさまざまな返礼品を選べるふるさと納税。複数の自治体へ寄付をするなら、「ふるラボ」を使うと便利です。返礼品のジャンルや自治体、寄付金額で検索できるので、希望に合った返礼品が見つかります。ぜひ手軽に活用してみてください。
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