ふるさと納税は何が得なの?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説

ふるさと納税は何が得なの?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説

ふるさと納税に興味はあるものの「何が得なのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ふるさと納税は、一定以上の収入を得る多くの方にとって、メリットがある制度です。

今回は、ふるさと納税のメリット・デメリットを含め、ふるさと納税の仕組みと魅力を解説。ふるさと納税に関するよくある質問にも、分かりやすく回答しています。

ふるさと納税を行える上限額は、年収・家族構成等によって異なります。3ステップで寄付の限度額がわかる「かんたんシミュレーター」で上限額の目安をチェック!

シミュレーション

ふるさと納税は何が得なの?

ふるさと納税は「2,000円の自己負担で、税金を前払いする制度」ということができます。

ふるさと納税では、お住まい地域以外の、全国の自治体への納税(寄付)が可能です。

これだけでは「2,000円損する」「ばかばかしい制度だ」と思われるかもしれませんが、実際には多くの人にとって金銭的なメリットのある大変魅力的な制度です。

第一に、 寄付先の自治体からお礼の品として「返礼品」をもらうことができます。返礼品には、各地の特産品や日用品・家電・家具・宿泊券など様々な種類があります。ふるさと納税の利用者は好きな返礼品を選ぶことができ、そこに魅力を感じる方も多いです。

第二に、税金の控除が受けられます。寄付額から自己負担分(2,000円)を超えた金額が、所得税・住民税から還付・控除されます。

そもそもふるさと納税とは

ふるさと納税は、都会と地方の税収格差を是正する目的で、2008年に始まった制度です。

通常の納税はお住まいの自治体に対して実施しますが、ふるさと納税を利用すると全国の好きな自治体に対して寄付(納税)できるようになります。

また、通常の納税をしても何も戻らないのに対して、ふるさと納税を利用すると「寄付金額の最大3割の返礼品」が受け取れるのです。さらに、ふるさと納税では所得税の控除・還付や住民税の控除が受けられます。

なかでも、住民税については特例分(特別控除)も適用され、限度内なら寄付したほぼ全額が控除されるのです。

ふるさと納税の控除限度額の計算方法

ふるさと納税の控除限度額は「所得税からの控除額+住民税からの控除額」で計算できます。なお、所得税からの控除額と住民税からの控除額は、それぞれ以下のように計算可能です。

【所得税からの控除額】
(ふるさと納税額-2,000円)× 所得税率

【住民税からの控除額】

  • 住民税からの控除(基本分)

    (ふるさと納税額−2,000円)×10%

  • 住民税からの控除(特例分)

    特例分①、特例分②のうち低い方
    (特例分①)
    (ふるさと納税額−2,000円)×(100%−10%(基本分)−所得税率(復興所得税込))
    (特例分②)
    (住民税所得割額)× 20%

ふるさと納税の控除限度額の計算は、少々煩雑なため、シミュレーターを利用すると便利です。ふるラボの 「かんたんシミュレーター」なら、控除上限額の目安が3ステップですぐに分かります。

シミュレーション

ふるさと納税の控除限度額を計算する際の注意点

ふるさと納税の控除限度額を計算する際は、「控除の併用」に注意が必要です。具体的には、医療費控除などを併用して課税所得が減ると、ふるさと納税の控除限度額も減る可能性があります。

また、医療費控除を行う場合には確定申告が必須となるため、ワンストップ特例制度は利用できません。

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税には、以下5つのようなメリットがあります。

  • 税金の前払いで好きな返礼品がもらえる

    ふるさと納税によって税金を前払いすることで、通常の納税ではもらえない「好きな返礼品」を選んで入手できます。

  • 生活費の助けになる

    日用品や食料品の返礼品をもらうことで、生活費の助けになります。

  • 好きな自治体に納税できる

    通常の納税と違い、ふるさと納税では故郷やお気に入りの観光地など、好きな地域に寄付ができます。(お住まいの自治体へのふるさと納税も可能です)

  • クレジットカードのポイントも貯まる

    クレジットカードでふるさと納税の決済をすることで、支払い金額に応じたポイントを貯めることが可能です。

  • キャンペーンを狙えば、ポイント還元などのメリットがある

    多くのふるさと納税サイトは定期的にキャンペーンを実施しており、キャンペーン中にふるさと納税することで、Amazonギフト券やサイトで使えるポイントなどが還元されます。

ふるさと納税のデメリット

多くのメリットが享受できるふるさと納税ですが、以下のように一部デメリットもあります。

  • 自己負担金が発生する

    ふるさと納税の利用では、必ず自己負担金2,000円が発生します。ただし、寄付の回数や寄付する自治体数が増えても金額は変わりません。

  • 減税・節税の手段にならない

    ふるさと納税は税金を前払いする制度のため、支払うべき税金額は変わらず、減税・節税にはなりません。

  • ワンストップ特例制度が利用できない方がいる

    ふるさと納税の手続きが簡単になる「ワンストップ特例制度」ですが、個人事業主の方・6自治体以上寄付する方・ 他の控除と併用される方などは利用できず、 確定申告が必要です。

ふるさと納税をした方がいい人の特徴

以下に当てはまる方は、ふるさと納税のメリットが享受できるため、積極的に利用を検討すると良いでしょう。

  • 7,000円を超える控除限度額の方

    控除限度額が7,000円超であれば、返礼品の価値(寄付金額の最大3割)が自己負担額(2,000円)を上回るため、ふるさと納税の利用で金銭的なメリットが享受できます。

  • 特定の自治体を応援したい方

    ふるさと納税では、寄付金の使い道を指定した上で、お住まいの自治体以外に納税(寄付)できます。そのため、好きな自治体の応援に積極的に関わることが可能です。

  • 欲しい返礼品がある方

    ふるさと納税では、入手しづらい品物や珍しい特産物が返礼品となるケースがあります。このような返礼品が欲しい方は、金銭的なメリットが享受できなくても、ふるさと納税する価値があります。

ふるさと納税をしない方がいい人の特徴

ふるさと納税は多くの方にメリットをもたらしますが、以下のような方は慎重に利用を検討した方が良いでしょう。

  • 収入額の低い方

    収入額が低いと、控除限度額が低くなり、もらえる返礼品の価値(寄付金額の最大3割)が自己負担額(2,000円)を下回る可能性があります。

  • 余裕資金のない方

    ふるさと納税では、税金を前払いしますが、年度内の決済(支払い)が必要です。さらに2,000円の自己負担金もかかるため、生活資金に余裕のない方は、慎重に利用すべきです。

  • 手続きが面倒だと感じる方

    ふるさと納税は、正しい申請・手続きをしないと税金が控除されません。特にワンストップ特例制度の対象ではなく、確定申告する時間が確保できない方などは、利用しない方が良い可能性もあります。

ふるさと納税の手続きの流れ

ふるさと納税で税金の控除・還付を受けるには、正しく手続きする必要があります。手続きの方法は「ワンストップ特例制度を利用する方法」「確定申告する方法」の2つがあるため、以下でご確認ください。

【ワンストップ特例制度を利用する方法】

  • ふるさと納税したい自治体を選ぶ(※5自治体まで。6自治体以上は確定申告が必要)

  • ふるさと納税を実施する自治体へ「ワンストップ特例制度の申請書」を提出する

  • 翌年度分の住民税が控除される

【確定申告する方法】

  • ふるさと納税したい自治体を選ぶ

  • ふるさと納税を実施する

  • 確定申告を実施する(例年、ふるさと納税した年度の翌年の2月16日(還付の場合は1月4日)〜3月15日まで)

  • ふるさと納税した年度の所得税が控除・還付される

  • 翌年度分の住民税が控除される

ふるさと納税で控除されているか確認する方法

ふるさと納税が控除されているかどうかは「住民税決定通知書」の摘要欄を見ると分かります。金額などに不明点があれば、自治体に問い合わせを実施しましょう。

もしも、きちんと控除されていなかった場合は、確定申告や、確定申告の更正の請求(修正申告)を実施してください。

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ふるさと納税に関するよくある質問

最後に、ふるさと納税に関するよくある質問に回答します。

Q.ふるさと納税が実質2,000円というのは嘘?

本当です。複数回あるいは複数の自治体に寄付しても、自己負担額は2,000円のみです。ただし、控除限度額を超えた寄付に対しては、 超えた金額分が追加の自己負担が発生するためご注意ください。

Q.ふるさと納税はしないほうがいい?

一定以上の収入を得ている方であれば、ふるさと納税の利用にメリットがあります。一方、以下のような方は、ふるさと納税の利用を慎重にご検討ください。

  • ふるさと納税の控除限度額(利用金額)程度の余裕資金がない方

  • 直近に大きな支出を控えている方

  • 収入が少なく、控除すべき税金がない/ほとんどない方

  • ふるさと納税の手続きをする時間のない方

Q.ふるさと納税で損する年収は?

年収100万円前後の非課税世帯は、ふるさと納税の控除限度額が0円です。つまり、ふるさと納税を利用しても、全額自己負担となります。

また、非課税世帯でなくても「控除限度額7,000円未満の年収の世帯」は、ふるさと納税のメリットが享受できない可能性があります。

返礼品の価値は「寄付金額の最大3割」で、控除限度額7,000円未満だと、ふるさと納税の自己負担額(2,000円)を下回る可能性があるためです。

Q.ふるさと納税をすると会社に迷惑になる?

迷惑になることはありません。

ふるさと納税しても「寄附金控除に関する証明書」などの書類を会社に提出する必要はなく、年末調整などの手間が増えることもないためです。

Q.ふるさと納税で住民税が安くならないのはなぜ?

住民税が医療費控除などで減った場合、ふるさと納税の控除限度額が圧縮され、住民税があまり安くならないケースが考えられます。

また、書類の申請や手続きに間違いがあった場合、 ふるさと納税しても税金が控除されない可能性があります。

Q.ふるさと納税をしたら確定申告が必要?

給与所得者の方は「ワンストップ特例制度」を利用して、簡単にふるさと納税の手続きができます。ただし、以下に該当する方は確定申告が必要です。

  • 個人事業主/フリーランスの方

  • 給与所得者で2,000万円超の収入の方

  • 20万円以上の副収入(メインの給与以外)がある方

  • 年間6つ以上の自治体にふるさと納税した方

  • 住宅ローンや医療費の控除を受ける方

  • ワンストップ特例制度での申請を忘れた方 など

まとめ

ふるさと納税は、好きな自治体に寄付(納税)することで、所得税・住民税控除を受けつつ、返礼品をもらうことができる制度です。ただし、ふるさと納税には控除限度額があり、これを超えた寄付は全て自己負担となります。

会社員(給与所得者)は、ワンストップ特例制度を利用すると、簡単に寄付金控除の申請ができます。ただし、年間のふるさと納税先の自治体が6つ以上の方や、もともと確定申告の必要な方はワンストップ特例制度が利用できません。

そのため、ふるさと納税の際にはシミュレーターを利用して、控除限度額を事前に把握しておきましょう。

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